SOLA TODAY Vol.376
先月末から今月の初めにかけて、珍しくタクシーに続けて乗る機会があった。そのとき感じたのが運転手さん年齢層が高いことと、運転の荒さ。
なんとなくの感覚だけれど、大学を出てタクシードライバーになるという人はかなり少ないと思う。ボクが20代のころは京都のMKタクシーが『学士ドライバー』と銘打って営業していたことがあるけれど、今はそんな時代じゃないだろう。
これもなんとなくの感覚だけれど、思うように仕事が見つからない中年世代がドライバーとして必死で生き残っているような気がする。仕事がきつい割には稼げなくなってきた業界なので、そのイライラが運転に反映されているように感じてしまった。
そんなタクシー業界を変えていこうと、ある試みが行われるらしい。
タクシー業界はこの先生きのこるか? “AI”使うDeNAの配車アプリ「タクベル」の狙い
DeNAが神奈川のタクシー協会と手を組んで、AIを活用したスマートフォン用のタクシー配車アプリである『タクベル』の実証実験を、今月の12日から始めるとのこと。おそらくUberに対抗するためだろう。
とにかくスマートフォンですべてを行えるようにした。配車予約や到着までの時間、指定場所への配車等に対応できる。ユーザーの周辺の空車状況も確認できるので、すぐにタクシーが呼べるかどうかもわかる。もちろんUberと同じように、事前にクレジットカードの登録を済ませておけば、アプリでの決済も可能。
横浜市の中区、西区を中心にして、約200台のタクシーを『タクベル』対応にするらしい。さらにAIを活用することで、ドライバーはどの時間帯に、どの場所にいれば利用客をゲットできるかも知ることができる。
このAIを活用したシステムについては、別のタクシー会社でのドキュメンを見たことがある。AIを使うことで、まったく新人の若い女性ドライバーが、トップクラスの売上を計上するベテランドライバーと同じような成績を出していた。それまでドライバーとして積み重ねた経験なんて関係ない。
疑いを持ったベテランドライバーがAIの指示に従うと、面白いように利用客が見つかる。とりあえず2種免許さえ持っていれば、カーナビとAIを活用することで、経験の少ない人でもあるレベルの売上を確保できる。面白い時代になったよね。
今回のこのアプリ実験も、上手くいくんじゃないかな。スマートフォンを持っていない情報弱者は無視すればいいから、そこそこの需要を見込めると思う。ドライバーの人材確保もやりやすいだろうね。
だけどそのうちドライバーが必要なくなる。自動運転車が普及すれば、ほとんどのドライバーが職を失うだろう。それも遠い未来の話じゃなくて、すぐ先のことだと思う。そうなるとタクシー業界での生き残り戦争は、さらに熾烈を極めることになる。
もしかしたら今回のアプリ導入は、神奈川のタクシー協会が自動運転車の到来を見越して、先に手を打とうと思ったのかもしれないね。前もってアプリを普及させることで、自動運転時代が来ても顧客を確保しようという目論見があるのかもしれない。知らんけどね〜〜!
どちらにしても、タクシー業界は大きな転換期を迎えているのは事実。この動きに乗り損ねた会社は、消えていくしかないんだろうな。
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