SOLA TODAY Vol.388
今朝のニュースで注目していたのは、国連総会に出席しているトランプ大統領の演説。北朝鮮に対して厳しい発言になるだろうと予想されていたが、そのとおりに強烈なメッセージを発信した。
日本人の拉致問題に言及したうえで、核兵器開発やミサイルによる挑発行為をやめない限り、「北朝鮮を完全に破壊するほか選択肢はない」と明言している。
一見すると過激すぎて、現実感がない。トランプ大統領らしい、誇張した発言だと見ることもできる。だけどこの言葉は本気かもしれない、と考えさせられる記事を読んだ。
韓国の軍事安保研究所トップが語る 北朝鮮をめぐる衝撃のシナリオ
どちらの記事も、とても勉強になる内容だった。興味のある方はぜひ目を通してほしい。現在の北朝鮮問題の根深さが理解できるはず。
とにかくベストな展開は、北朝鮮が核兵器を放棄すること。そこに尽きる。ところが今日のトランプ大統領の演説中に北朝鮮の国連大使は、抗議の意味を込めて途中退席している。とても話し合いができる状況ではない。
中国もさすがに国際世論を無視することはできないだろうから、おおぴっらにかばえなくなる。そんな微妙なバランスで、各国の思惑が揺れ動いている。
この記事にも書かれていたが、アメリカとして不満なのは、韓国政府が本気になっていないこと。ソウルはかなり北寄りにある。北朝鮮の危険を真剣に考えるなら、首都機能の移転を模索するはず。ところがアメリカの要請にもかかわらず、韓国を重い腰をあげようとしない。
そうなると最悪のシナリオが発動する。アメリカが北朝鮮に譲歩して、核兵器の所有を容認すること。ただし、アメリカとの平和協定を結ぶことが条件となる。そんなことが起きればどうなるか?
在韓米軍の撤退という事態になりかねない。そこに至ってようやく韓国の国民は危機を覚える。だったら我が国も核兵器を持とうじゃないか、という声が出てくるだろう。北朝鮮に認められたんだから、韓国が所有することに文句を言われる筋合いはない、ということになってしまう。
日本だって黙っていられない、非核三原則を再考することで、日本国内の米軍基地に核兵器を搭載した戦艦の入港を認めることになるかも。さらに北朝鮮が核兵器を持つことが容認されたら、イランだって黙っていない。うちだって核兵器を持つよ、と宣言するだろう。
これはアメリカにとって、最悪のシナリオになってしまう。最初の記事にも書かれているけれど「降伏」に等しい。この状況をさけるため、アメリカが取れる行動といえば?
もはや軍事行動しかない。
北朝鮮が今のままで挑発を続けるのなら、アメリカの先制攻撃ということもあり得る。昨日のニュースで、アメリカのマティス国防長官は、北朝鮮に先制攻撃を行なったとしても、ソウルを守ることができると述べていた。北朝鮮に対するけん制の意味合いがあるとしても、根拠がなければ発言しないだろう。
国連総会における今日のトランプ大統領の演説は、こうした事情を考慮するとシャレにならない。意外に本気かもしれない。しばらくは、北朝鮮情勢から目を離せないと思う。
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