SOLA TODAY Vol.431
「ときめきますか?」で一世風靡した、こんまりこと近藤麻理恵さん。海外でも著書が翻訳されて、彼女の断捨離ノウハウは世界的なブームになった。
ボクはミニマリストと宣言できるような生活をしているので、あえて断捨離方法を学ぶことはない。だって捨てる物がないからね。家電や家具を除けば、ほぼ半日で荷造りしてコンパクトカーに積みこめる程度の物しか所有していない。衣服や食器を含めて。
必要ないけれども、断捨離ということに関しては興味を持っている。最近の海外ではすでに「こんまり式」は過去のもので、今では新しい断捨離ノウハウが広まっているらしい。
「こんまり式」はもう古い!? スウェーデン式の断捨離「死のお片付け」とは?
この新しい断捨離方法の発祥はスウェーデン。英語圏では「Death Cleaning」と呼ばれている。日本語で言えばタイトルにあるように、「死のお片付け」となる。
この方法がユニークなのは、自分が遺族の立場に立って断捨離をするということ。ある程度の年代になれば、親を見送るという経験をするだろう。その際、両親の遺品を整理するという、かなり面倒な作業がある。
「なんでこんなもの置いておいたの?」と仏壇に尋ねたくなるほど、人間は所有している物が多い。何十年も生きていれば、そうした不用品が貯まるのは避けられないのかもしれない。
そこで自分が断捨離をするにあたって、「私がこれをとっておいたら誰かが喜んでくれるか?」と自問することがポイントになる。こんまりさんのように自分がときめくかどうかではなく、自分の遺品を整理する人がどう感じるかを想像して断捨離をする。
自分のものだと思って物を見ると、それに付随する思い出に振り回される。まったく使うこともないのに、捨てられないと感じて残してしまう。それではいつまでたっても断捨離なんて不可能。
でもこの断捨離は、残された人が遺品の整理をしている気分で、本当に必要なものだけを残していくというやり方。いい方法だと思う。
妻ともよく話すけれど、この感覚は我が家では割と普通。ボクたち夫婦は子供がいないから、どちらかが亡くなれば後始末をしなくちゃいけない。そして残された人間もいつかは死ぬ。あらかじめ他人に遺品の整理を依頼しておいたとしても、余計な面倒をかけたくない。
そう思うと、できる限り物を少なくしようと思う。この記事の断捨離方法は、とても理にかなっている。だから我が家には物理的なアルバムなんて、1冊もない。写真はすべてデジタルでしか残していない。それゆえクリックひとつで消去できる。
実際にこの方法で断捨離するとなると、問題はどれだけ真剣に遺族の立場になれるかどうかだろうね。つい今の自分が顔を出してしまい、思い出を保存しようとしてしまう。だけどそんな思い出なんて、他人にとっては何の価値もないただのゴミでしかない。そのことをどれだけ自覚できるかだろう。
さてさて、この断捨離が日本ではどう扱われるか楽しみ。『死』を意識することは、決して無駄じゃない。それは『今』をよりよく生きることにつながる。中年になったなら、思い切ってこの方法で断捨離をしてみるべきかもしれないね。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。