モノマネは大切だと思う
仕事をしたりブログを書くとき、音楽が欠かせない体質になってしまった。聴くのは女性ヴォーカルが多いけれど、最近のお気に入りはアリアナ・グランデ。今も彼女の曲を聴きながらこのブログを書いている。
彼女の魅力は、あのきゃしゃな身体で驚くような声量を持っていること。とにかく歌がうまい。YouTubeでいろいろなアーティストのライブ動画をチェックしているけれど、彼女の歌唱力は誰よりもずば抜けている。
そんなアリアナ・グランデの動画で、昨晩にめちゃ面白いものを発見。彼女が他の歌手をモノマネをした動画を編集したもの。元の歌手をチラッと紹介してからアリアナのモノマネが収録されているので、どれほど似ているかよくわかる。
ユニークのなのは歌だけでなく、その歌手のしぐさまでまねていること。歌のうまさに驚きつつ。めちゃくちゃ笑ってしまった。かなり面白い動画なので、リンクを貼っておく。もしかしたらまねられている本人よりもうまいかもしれない。
モノマネというのは、大切なものだと思う。あるテレビ番組で聞いたことがあるけれど、昔の演歌歌手が住み込みの弟子を取るのは意味があったらしい。直接に教えなくても、普段から歌っている姿を見てまねているだけで、弟子の歌唱力が伸びるらしい。もちろん元々の才能は必要だろうけれど。
アリアナもそれだけモノマネができるということは、普段から遊び感覚で練習していたんだと思う。そうしてまねながら、その歌手が持つ技量を吸収していったのだろう。
小説というものだって、実は無意識にモノマネをしているときがある。いくつも作品を読み込んでいるうち、意識することなく同じようなシチュエーションを使用していることがある。あくまでも無意識だよ。意識的にやれば、単なるパクリになってしまうからねw
もしかしたらボクは影響を受けていたかも、という映画を観た。
『チェーン・リアクション』という1996年のアメリカ映画。キアヌ・リーブスと、まだブレイク前のレイチェル・ワイズが主演している。
SFアクションという映画なんだけれど、ボクはこの映画が当時から大好き。先日テレビで放送されているのを知って、久しぶりに観た。細かいことを忘れていたので、思い出したかったから。
簡単に言えばフリーエネルギーの完成と、それを奪おうとする闇組織の陰謀。そしてその組織を葬ろうとする人物たちが活躍するという映画。敵なのか味方なのか最後までわからないモーガン・フリーマンが実はCIAの工作員で、闇の組織を潰すという任務を受けていたというオチになる。
この映画を久しぶりに観ていて、あれ? どこかで観た雰囲気だなぁと思った。そしてすぐに気がついた。
それは先月、ある文芸賞の最終選考まで残ったボクの小説だった。ストーリーはまったく関連がないし、もちろんパクリでもない。
だけど研究所に関わる陰謀や、影の暗躍者や、最後に研究所が吹っ飛ぶシーンも、同じような雰囲気だった。もしかしたら無意識にこの映画のことを記憶していたのかもしれない。
小説というのは『無』から『有』が生み出されるように思うけれど、それは完璧な誤解。どれほどオリジナリティーに富んだ作品でも、先達の作品になんらかの影響を受けているのは当たり前。それをいかに自分らしいものに変えていくかが、その作家の実力だと思う。
過去の素晴らしい作品たちが無意識下に取り込まれるよう、大量に小説を読み、映画を観ることが大切だということ。そうして引き出しを増やすことで、自分の作品を生み出すことができると思う。
あの名作とどこか似ているけれど、まったくちがう新しい物語。そう言われる作品が書けるようになりたいね。
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