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高羽そらさんインタビュー

SOLA TODAY Vol.441

どれだけ考えても答えが出ない、という命題がある。専門家が頭を寄せ合っても、議論に終わりは見えない。

 

その代表的なものが、安楽死に関するもの。いろいろ考えさせられる記事を読んだ。

 

オランダで直面した「医療行為はどこまでするべきか」–医療ガバナンス学会

 

オランダでは、条件が整えば安楽死が認められている。大人でも子供でも同じ。そのオランダに世界中から医師が集まって、安楽死について議論された。最初に出されたのはイギリスでの事例。

 

チャーリーという新生児の男の子は、先天性の難病を患っていた。医師は尊厳死を勧めたが、両親は渡米して治療することを望んだ。最終的にはイギリスの最高裁で生命維持装置を外すことが認められ、両親はその辛い事実を受け入れている。

 

この事例に対して議論が紛糾した。興味深いのは、医師が属する国によって考え方がちがうこと。相対的に貧しくて発展途上の国の医師ほど、この事例を合理的に判断している。ウクライナでは治癒率が3%という数字が出ていたら、ほぼ迷いなく安楽死を選ぶらしい。

 

その背景には国家として経済力がないので、治る見込みの少ない患者に多額な医療費を負担できないという発想。その一方で、先進国の医師たちは感情的な反応を見せている。イギリス人の医師などは、貧富の差で医療を受けられるかどうか決まってしまうのは不平等だ、と語気を荒げたらしい。

 

とにかく答えが出ない問題であることはまちがいない。この記事を書いた医師も、苦悩の声をあげている。自国で治せない病気でも、先進国に行けば治療できるかもしれない。国家のよってそんな不平等があっていいいのかどうか。

 

さらに最終的に治療を継続するかどうかは、科学的な根拠ではなく感情に左右されることが多い。なぜなら人間の感じ方は個々にちがうので、苦しみのレベルを定量化することができないから。

 

ボクも考えてみたが、自分が患者である場合と、家族が患者である場合とでは同じ意見にならない。自分の場合、耐え難い苦しみならば安楽死を選択する。どうせ人間は死ぬんだから、という達観した感覚がどこかにある。

 

だけど家族についての判断を迫られたら、生きていて欲しいと願うだろう。なんとか治療法を見つけてくれと医師にすがるはず。当事者の苦痛を考えない、自己中な発想だとわかっている。だけどそう思わざるを得ないのは事実。

 

これらかも議論されるだろうけれど、やはり明確な答えが出ない問題だと思う。例えば百歩譲って、無条件に安楽死が認められるとしよう。病気であるとかの条件は関係ない。本人が死にたいと思ったら、眠るように死なせてもらえるとしよう。

 

そうなるとカオス状態だろうね。現実逃避したい人が殺到する。悲しみを受け入れて、前に進もうとする機会を人間から奪ってしまうかもしれない。あるいはヤケになった人間が、詐欺や犯罪を起こした末に安楽死を求める可能性もある。おそらく収拾のつかないことになると思う。

 

もし無条件の安楽死が認められるとすれば、その社会は人間の意識が最高潮に成熟した状態だろうね。同時にある意味、奇妙な世界のようにも思える。無条件に安楽死が認められるような文明は、もしかしたら人間としての存在意義を失っているのかもしれないなぁ。小説の題材になりそうだね〜w

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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