SOLA TODAY Vol.500
このカテゴリーを始めたとき、最低でも1000回まで続けると決めた。今日でようやく500回。なんとか折り返し地点まで来た。
そんなキリ番の今日は中国の話題。驚くような経済成長を続けて来た中国に対して、昨年はついに経済が崩壊するだろうという言葉が飛び交った。ところが失速するどころから、さらに経済成長を続けている。
なぜ中国の成長が止まらないのか? そのことがわかりやすく解説されている記事を読んだ。
「デジタル・レーニン主義」で中国経済が世界最先端におどり出た
かなり長い記事だけれど、現在の中国と日本の現状がよくわかる。今や中国は日本を追い抜いて、はるか先を突っ走っている。この記事の副タイトルにも書かれているとおり、中国から見れば日本の経済は石器時代のようなものらしい。否定できないだけに辛い。
日本との最大のちがいは、現金を使わなくなったことだろう。電子決済が普通になり、中国の人は現金を持たなくなった。それはカード会社の手数料が極端に安いから。だから露店でお弁当を売っているような人でも、気軽にカード決済を導入することができる。
カードを使えばすぐに決済されるので、売掛金の管理をする必要がない。そうしたことにビジネスの時間を割くことが減り、より効率的に事業展開を進めていくことができる。
料理店に関しても予約の段階でカード決済するのが普通なので、当日のドタキャンなど起きない。日本人のレストラン経営者がTwitterでドタキャンについて大騒ぎをしているのを見て、中国の人たちは苦笑しているかも。
そうして取引される電子データが、ビックデータとして利用されている。個人の取引が数値化されて評価されるので、信用が可視化されるようになった。だから融資の申し込みに対しても、簡単にAIが判断してくれる。その人が過去に行った行動が、完璧に把握されているから。初めて会う人でも、信頼して取引することができる。
そして中国経済成長最大の要因が、共産党一党支配という特殊な状況にあるとのこと。国民から集めたビックデータを、政府も積極的に利用している。それがこの記事のタイトルにある『デジタル・レーニン主義』というもの。
国民の身分証番号と顔などがビックデータとして登録され、政府によって常に監視されている。これは実際に映像で流れていたけれど、交通違反をした通行人の姿が街頭カメラでキャッチアップされ、即座に身分証明番号等が表示される。ある意味、ちょっと恐ろしい状態。
ITによってこれほど徹底して国民監視ができるのは、中国という政治システムゆえのことだろう。人権よりも社会の効率化を優先させる。それも政府が率先してやっている。
日本なら個人情報がどうの、プライバシーがどうのと話題になり、もし同じシステムを導入することになったら大騒ぎになるだろう。街を歩くだけで個人が特定されるなんて、どれだけ逆立ちしても日本では難しいと思う。
だから結論として、今のままでは日本は絶対に中国に追いつけないということ。
バランス感覚は必要だと思うけれど、もう少し日本も中国の姿勢を見習うべきだと思う。日本だってビックデータは日々集積されている。だけどまだまだ効果的に利用されているとは言えない。宝の持ち腐れになっているのが実態。
そして既得権益者を守るため、不必要な規制がはびこったまま。これでは日本が石器時代だと思われても仕方ないだろう。高度経済成長時代の日本のイメージが払拭できていない人は、この記事をじっくり読んだほうがいいと思う。でも絶対に読まないだろうなぁ〜www
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