SOLA TODAY Vol.505
ブロックチェーンの利用法として、先日高級ワインの偽造防止の記事をこのブログで紹介した。だけどもっと具体的な利用法があるはず。そんな想いでネットの記事を見ていると、なるほどというものに出会った。
オンライン百科事典「Everipedia」がブロックチェーン導入で目指すもの
オンライン百科事典といえば、頭に浮かぶのは「Wikipedia」だよね。そのWikiの共同設立者であるラリー・サンガーをCIOに迎えたのが、「Everipedia」というもの。すでに公開されているけれど、見た目はWikiとよく似ているらしい。
ところが今年中には新しいものに変わる。ラリーがこの会社に参入したことによって、ブロックチェーンが導入されることになった。Wikiの最大の難点は、ガセネタが混ざっていること。
日本でも著名人が自分のWikiを見て真実が書かれていないとボヤいていたり、科学者等から記事の内容について誤りを指摘されたりしている。ボクも利用しているけれど、Wikiに書かれていることが完璧だと思わないように注意している。
そんなオンライン百科事典にブロックチェーンを導入することで、捏造記事を排除しようというのが「Everipedia」のねらい。その仕組みを見ると、なるほどと感心した。
まず導入されるのはIQというトークン。いわゆる仮想通貨のようなもの。このIQはICOのトークンのように、普及している仮想通貨と交換することができる。記事を書こうとする著者は、このトークンを購入する必要がある。つまり有料ということ。
そして記事が検証されて、アップされた段階でそのトークンで報酬が支払われる。適切な記事を書けば、収入になる。だけど捏造や誹謗中傷の記事を書けば、最初に払ったトークンが戻ってこない。
そして最大のメリットは、ブロックチェーンで管理されているので、データをサーバーに保存する必要がない。このオンライン百科事典を利用しているすべての人によってデータが管理されていることになるので、悪意をもって記事の内容を変更することがまったく不可能になる。
ビットコインのデータが書き換え不能なのと、同じ仕組みということ。著者の勘違いや新しい発見によって、書き換えが必要なことはあるだろう。そのときは、正式なルートを通じて記事の内容を更新すればいいだけ。
少なくとも故意に嘘を書く人から百科事典が守られる。ついでに執筆する人は、お金も稼げる。これはいいよね〜!
実施に運用するにあたっては、想定外の問題が出てくるかもしれない。だけど根本的な発想として、オンライン百科事典にブロックチェーンを導入するのは素晴らしいと思う。もし将来的に日本語版が登場したら、ボクはWikiよりも「Everipedia」を利用すると思う。
ブロックチェーンの可能性は、まだまだ広がりそうだね。
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