SOLA TODAY Vol.533
ブログサイトのメンテナンスが予定より早く終わったようで、あわててこの記事を書いている。まだメンテ中だろうと思い、余裕でかまえてたんだけれどなw
あせって見つけたのがこの記事。融資の基本を崩すとこうなるよ、という見本のような出来事。
大学を卒業するために奨学金が理由で、破産宣告を選択せざるを得ない人が多いのは知っていた。だけど改めて数字を見せつけられると、その数に驚く。
過去5年で延べにして1万5千人もの人が奨学金破産を行なっている。そのうちの半数が、連帯保証人になっている親や親戚らしい。
ボクも学生時代は奨学金を借りていた。当時は日本育英会が主催で、学校単位で支給される人数が決まっていた。どうしても学校の推薦が必要になるので、成績がモロに考慮される。奨学金の支給が決まったときは、マジでホッとしたのを覚えている。
幸いにも県立の大学だったので、授業料は比較的安い。だから奨学金の余剰分は飲み会代に消えた。まぁ、それほどのんびりした時代だったんだろう。もちろん社会人になってからきちんと完済している。
現在の奨学金は、日本学生支援機構というところが主体になっている。ボクの時代は無利子だったけれど、いまは有利子の奨学金がメインなんだよね。ただ問題になっているのは、担保も審査もなく融資されていること。これは融資の原則に反しているから、自己破産する人が増えるのは当然。
連帯保証人をつけるか、保証料を払えば融資はおりる。企業の運転資金の確保に比べたら、かなり楽チン。大学を卒業して社会人になれば、返していけるだろうとふんで、親も簡単に連帯保証人になるのだろう。
だけど社会情勢によっては、そう簡単にいかない。授業料は高いし、非正規雇用は増えるしで、返済が困難になる人が増えてくる。するとあせった機構側は、あわてて取り立てを強化する。給料を差し押さえるなどの強制執行をすることで、さらに自己破産者を増やすことにつながっている。
自己破産は法律で認められた制度だから、利用できる人はそうすればいいと思う。ボクはそうした人たちを非難する気はない。元凶となっているのは、簡単にお金を貸しすぎる機構側じゃないだろうか?
教育機会の平等、というお題目があるのはわかる。だけどあまりにもずさんな融資を続けていると、破綻するのは当然。銀行の経営が行き詰まるのと同じことになっている。
そしてもうひとつ感じるのが、お金を借りてまで大学に行く必要があるかどうか。学部によるちがいはあるけれど、ただ大卒の資格のために借金をするというリスクに、やるだけの価値があるんだろうか?
値上がりが見込めない株や仮想通貨に、レバレッジをかけて投資している人の姿と重なってしまう。若いうちに自分のやりたいことを考えて、クラウドファンディングで資金集めをするほうがいいように思うんだけれどな。
終身雇用も、年功序列も、そして学歴重視も、基本的にオワコンになりつつある。なのに自己破産するリスクを背負ってまで、大学を卒業することに意味があるのかどうか。そのことも真剣に考えてみるべきだと思う。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする