人生はイリュージョン
かなり春めいてきたから、外を歩いていても楽しい。今日は散歩中にメジロを見かけたので、さらに春を意識させてもらえた。
最近になって妻と計画しているのは、知らない街の散歩。適当に電車へ飛び乗って、適当な駅で降りる。そしてその周辺を散歩するというもの。
知らない街を歩くことで、どんな発見があるかと思うとワクワクする。素敵な雑貨屋さんが見つかるかもしれないし、奇跡のような美味しいパン屋さんがあるかもしれない。そしておそらくその出会いは、偶然のようで必然だということ。だから余計に感動する。やっと出会えだんだからね。
もう少し暖かくなったら、トライしてみようと思う。3月の声が聞こえたらいい時期かな。
さて、めちゃめちゃ面白い映画を観た。なんと言っても映画のスピード感が素晴らしい。そして映像の美と、仕込まれたトリックに魅了される。
『グランド・イリュージョン』(原題: Now You See Me)という2013年のアメリカ映画。
この写真の4人は、『フォー・フォースメン』と呼ばれている。元はマジシャンだったり、催眠術師だったり、詐欺師だったりする。ある日、古代エジプトの秘技参入として知られている『ビッグ・アイ』から4人は誘いを受ける。そしてある使命を果たせば、『ビッグ・アイ』の一員となれる。
4人が登場したのはラスベガスの舞台だった。イリュージョンの舞台と称して観客を集め、遠く離れたパリの銀行から現金を盗み出すというショーを見せる。そしてその現金を、ショーの観客にバラまく。まるで日本の『ねずみ小僧』のような義賊だった。
警察は4人を逮捕するが、証拠がつかめない。そして4人は次々とショーを行う。ある大金持ちの口座から、ショーの最中に観客の口座に振り込むというイリュージョンをやってのける。ラストでは難攻不落の金庫から盗んだ現金を、集まった群衆にばらまく。
それは偽札だったんだけれど、彼ら4人をハメようとした男の車に本物の現金を隠すことで、罪を着せてしまう。そして4人は使命を果たして、『ビック・アイ』に迎え入れられるという物語。
最初に書いたとおり、映画のテンポ感が素晴らしい。無駄なシーンが少ないので、飽きることがない。そしてイリュージョンのシーンはCGが効果的に使われていて、思わず見入ってしまう。イリュージョンの種明かし場面も、めちゃ楽しめる。
4人のうちダニエルを演じるのは、ジェシー・アイゼンバーグ。『ソーシャル・ネットワーク』という映画で、FacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグ役を演じた俳優さん。
さらにモーガン・フリーマンやマイケル・ケインという名優が、この4人に騙される役で出演している。ボクの大好きな『オーシャンズ11』を彷彿とさせる作品だった。
ただし少し残念だったのは、黒幕の人物。事件を追いかけているFBI捜査官が、実は黒幕だったというパターンは禁じ手だと思う。その役のマーク・ラファロの演技はよかったけれど、この設定はまずかった。ベタ過ぎるからね。
だけど全体として、最高に痛快な映画だった。続編が作られたのは納得できる。まさに人生はイリュージョン。そんなことを感じた作品だった。
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