「できない」という思い込み
春のせいか、やたら眠い。昨日もよく寝たはずなんだけれど……。
眠い理由として考えられるのは、やたら長い小説を読んでいるせいかもしれない。以前、ニール・スティーブンソンというSF作家の小説を読んだ。『スノウクラッシュ』というぶっ飛ぶ小説で、既成概念をぶち壊されるような物語だった。
ということでこの著者の代表作を読んでいる。複数の賞を受賞したという作品。ところがめちゃ長い。そして造語が多い。だから読み進めて理解するのに大変で、すぐに眠気がやってくる。
老眼のボクにはかなり辛い小さな文字の単行本で、それも二段書きだよ。そして600ページ近くある。必死で2時間頑張っても、100ページに満たない。だから時間を見つけては読んでいるんだけれど、早くても5日はかかりそう。
だけどかなり面白い。どうして続きが気になる。まだ5分の1しか読んでいないので、ここでストップしたくない。以前なら、面倒になって諦めていたかもしれない。だって読まなければいけない本が、山積みになっているから。かなりあせっている。
そんな気分のとき、とてもやる気が出てくる本がある。この本を読むと、最後まであきらめないという気持ちになれる。
『自分を磨く方法』アレクサンダー・ロックハート著という本。
著者は作家で、自己啓発のセミナー等も行っている。50のテーマで文章がまとめられていて、それぞれが心に響く内容になっている。
この全体に流れているのは、「自分はできない」という思い込みを手放すこと。そして失敗を恐れずに、前へ進むことの大切さが書かれている。
そのうちのひとつを紹介しよう。なぜサーカスのゾウは逃げようとしないのか?
大人になったサーカスのゾウは、簡単な杭でロープにつながれても逃げようとしない。杭を引き抜く力を持っているのに、その力を発揮しようとしない。
それは子供のころに、鎖で杭につながれているから。まだ子供なので、鎖をちぎったり、杭を引き抜く力がない。それが普通になるから、その思い込みにとらわれ続けるらしい。
そのゾウは、『自分にはたいした力がない』と思い込んでいる。だから大人になっても、何もせずじっとしている。
これは人間も同じ。ほとんどの子供が、親や教師からネガティブな言葉を投げつけられている。こんなことをやりたいと途方もないデカイ夢を言っても、たいていは否定される。もっと現実を見るべきだと軌道修正される。お前には無理だ、と思い込まされることになる。
だから大人になっても、『自分にはたいした力がない』とあきらめてしまう。困難にぶつかるたび、そうして行動しない言い訳を口にする。
なんでもないようなことだけれど、とても恐ろしいことだと思う。自分の能力を制限する魔法は、簡単に解くことができない。その魔法を解くためには、少しずつ小さな成功体験を重ねて行くしかない。そして失敗しても、根気よく挑戦することが重要だと思う。
この本には、そんな想いを助けてくれる文章が書かれている。やる気を思い出したい人には、とてもオススメだよ。
ということで、ボクも投げ出さずに長編小説を読破しよう。まだ4日はかかりそうだけれどねw
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。