SOLA TODAY Vol.577
ボクはアホな子供だったので、見た目から入ることが多い。
中学生のころ、ハードボイルドの俳優が指の関節をポキポキ鳴らすのに憧れたことがある。強い男の代名詞のような気がして、絶対にできるようになりたいと練習した。ほんまアホやわぁw
最初はうまくいかなかったけれど、コツを覚えるとできるようになった。でもハードボイルドな男になれなくてガックリしたけれどね。
そんな指の関節が、どのような原理で鳴るのか解明されていなかったらしい。ところが、ようやくその仕組みがわかった。
科学者たちは、この原理について100年以上も頭を悩ませていたそうだ。そのことに驚く。まぁ、真剣に研究する人が少なかったんだろう。
そんな苦労を重ねた結果、今月の29日に正式な論文が発表されている。あのポキっとという音は、手の関節液の微小な気泡が崩壊することで発生するとのこと。
ボクは文字どおり関節が鳴っているのだと思っていた。だけど気泡が崩壊する音だったらしい。だから一度鳴らすと、20分くらいは音が出ない。気泡が再び発生するのにそれだけの時間を要するからだろう。
フランスの企業とアメリカのスタンフォード大学が共同研究したもので、幾何学的に表現した関節と数理モデルを用いて、関節音の発生に至る現象のシミュレーションを行ったそう。それでこの事実が判明した。
面白いよねぇ。この原理が解明されたからといって、世界をあっと言わせるような発見にならない。ほとんどの人は関心がないし、「あ、そう」で終わってしまうだろう。それでも真剣に研究しているというのに、ボクはとても好感を持った。こんな科学者たちが大好き!
それにしても不思議だよね。あの音が気泡の崩壊する音だなんて、人間の身体というのは、まだまだ謎だらけなんだろう。
今のところ、関節を鳴らすことが有害か無害かについては、答えが出ていないそう。ただ医師たちによると、関節炎の原因になっているというのは、根拠がないらしい。指の節が高くなると親に言われたことがあるけれど、それもいい加減なものだろう。
久しぶりに鳴らしてみたけれど、いい音がしていた。だからといって、なんの役にも立たないけれどw
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