このSF小説を超えるものはない
今日からゴールデンウィークという人は多いのかな。ボクは基本的に365日を同じように過ごしているので、あまり実感はない。どちらかと言えば、行楽地が混雑するので、早く終わればいいなと思うのが本音www
できる限り人の多いところへ近づかず、地元で過ごそうと思っている。大勢の人にもまれて疲労するより、家で仕事をしているほうが幸せだから。
ボクと同じようにゴールデンウィークをゴロゴロ過ごそうと思っている人に、オススメの SF小説がある。少し古い作品だけれど、この小説を読まずにSFを語るべからず、というほどすごい作品。ボクにとって、この作品を超えるSF小説はこの先にないと思う。
かなりの長編で、全体で3部作になっている。最初の作品は『星を継ぐもの』で、『ガニメデの優しい巨人たち』と続く。この2つとも、このブログで紹介している。
そして今回読んだのが、『巨人たちの星』というこのシリーズの完結編にあたる作品。
『巨人たちの星』ジェイムズ・P・ホーガン著という小説。読んでもらったらわかるけれど、とにかく最初の『星を継ぐもの』からぶったまげることになる。
21世紀の地球人が月の探索をしていると、月の裏側に基地の跡が見つかる。もちろん地球人が作ったものじゃない。そしてそこに人間らしき遺体が見つかる。ところが調査してみると、その遺体は5万年前のものだった。つまり5万年前の月に文明が降り立っていたことになる。それも人間だよ!
やがて事実が明らかになっていく。5万年前には、ミネルヴァという惑星が存在していた。火星と木星のあいだ。ところがそこに住んでいた人類は二つに分かれて戦争をはじめ、惑星を破壊してしまった。
その勢いで惑星の一部は冥王星になり、ミネルヴァの衛星だった月がぶっ飛んだ。そして太陽に向かう途中、地球の引力につかまって衛星になったという設定。だから月の調査で、5万年前のルナリアンと名付けられた地球人の祖先が見つかったということ。
ところが次作の『ガニメデの優しい巨人たち』ではさらに驚くことが起きる。なんと2500万年前に宇宙を放浪していた宇宙船が、突然木星の近くに出現する。実は5万年前に滅んだミネルヴァの住人で、ガニメデという巨人の種族だった。
進んだ科学技術を持ち、戦争を好まない穏やかな種族だった。ところがミネルヴァが彼らにとって居住不能となったので、2500年前に移住先を探していた。この宇宙船は、その当時に事故に巻き込まれて、時空をさまよっていた。
この第2作で、ガニメデが2500万年前に遺伝子操作をしていたことがわかる。つまりルナリアンを創造したのは、彼らだった。いったい2500年前に、そして5万年前に何が起きたのか?
そのすべての謎が、この『巨人たちの星』で明かにされる。ページを繰るたびに、驚くことが次々と起きる。
地球人がどのようにして進化してきたのか? なぜ地球人は神や迷信を信じるのか? そして科学の進歩や二度の世界大戦はどうして起きたのか? そうしたことがこの作品で語られる。
フィクションだとわかっているのに、ノンフィクションを読んでいる気分になってくる。これから読む人がいたら申しわけないので、ネタバレはしないからね。1983年に書かれた作品なのでソ連が登場するけれど、ロシアに読み替えたら理解できる。
そしてラストで、めちゃめちゃ驚くことが起きる。ある陰謀を阻止しようとしたことで、5万年前とつながってしまう。そのことがきっかけで、ミネルヴァという惑星が崩壊することになった。こうなると「卵が先か鶏が先か」という、変な世界へ取り込まれてしまう。
過去と現在がループ化することで、この物語は閉じられている。マジですごい物語だった。こうして書いていても、まだ興奮している。もし暇を持て余している人がいたら、絶対に読むほうがいいよ。
どの程度つながりがあるのかわからないけれど、この続編もあるらしい。こうなったら読むしかない。近いうちに読んでみようと思っている。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
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