SOLA TODAY Vol.621
トレードオフは、何事においてもあてはまる。何かを得たら何かを失うというのは、物理法則でも同じこと。トレードオフによって社会の均衡が保たれていると思っている。
特にITの進化は、それまで普通に存在していたものを消してしまう。なるほどなぁ、と感じる記事を読んだ。
iPhone等のスマートフォンが普及することで、衰退したものがあげられている。とりあえず列挙してみよう。
・キャンディー、ガム
・カップ麺、インスタントラーメン
・物乞い
・置き引き、強盗
・青少年の薬物中毒
・デジタルカメラ
・ATM引き出し手数料
・紙の新聞
・テレビ広告とフォーカス広告
・懐中電灯とコンパス
こうして並べてみると、なかなか面白い。中国の事情が中心だけれど、すぐに理由がわかる物もあるよね。
デジタルカメラは、言わずもがな。専門家でもない限りスマホで十分。最新のiPhoneなら映画でも撮れてしまうほど。ATMの引き出し手数料は、中国あたりはそうかもしれない。でもキャッシュレス化後進国の日本は、まだATMを使っている人が多い。何も考えずに払っている人はいるろうな。
紙の新聞は当然だよね。ボクも10年以上は購読していない。広告に関しても、ネットが主流になってきたので理解できる。コンパスは使うことが少ないだろうけれど、たしかに懐中電灯は必要ない。iPhoneの懐中電灯モードを試したら、あまりに明るくて驚いた経験がある。
ちょっとわかりにくいのが、最初の5つだなぁ。なぜキャンディーやガムの売上が減るのだろう? 記事を読んでみると納得。ガムやキャンディーは、スーパー等のレジ前に置いてあることが多い、レジ待ち中にスマホを見る人が増えたので、それらが売れないらしい。
さらにキャッシュレス化が進んだ中国では、レジ待ちそのものが無くなっている。なるほどねぇ。
カップ麺やインスタントラーメンの売上減少は、中国で顕著らしい。中国の人は、冷めたものを食べることを嫌がるそう。だからインスタントでもいいから、温かいものを食べようとしてカップ麺がよく売れた。
ところがネットの普及で、デリバリーサービスが充実している。ウーバーイーツがいい例だよね。だからインスタントラーメンを食べる人が減っているらしい。
物乞いに関しても、中国ならではの現象。キャッシュを持たない人が増えたので、現金を渡しようがない。そこで中国の物乞いの人たちは、QRコードを使ってモバイルに振り込んでもらうことを考えた。
だけどモバイルを使っているような物乞いは、同情されない。それで衰退しているらしい。なるほど、キャッシュレス化はそういう部分にも影響するんだね。置き引きや強盗が減ったのも同じ理由。最近のスマホは盗んだとしても、セキリュティが万全ならどうしようもない。
青少年の薬物中毒がもっとも理解しにくい。記事によると、スマートフォンのゲームが代理刺激物になることで、薬物の摂取が減っていると予想されている。現実逃避をするのに、ゲームが薬物の代わりになっているのかも。
ITの進化に伴うトレードオフで、ボクが最初にイメージしたのは音楽関連。気がつけばLPレコードやカセットは一部のマニアだけの物になったし、MDなんてどこへ行ったのだろう? 今やCDプレーヤーでさえ過去の遺物になっている。
これからも消えていくものがあるんだろうね。なかなか楽しい記事だった。
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