イライラ、ゾワゾワは大切
昨日はアップしたブログが編集作業でぶっ飛んだので、今日はちょっとドキドキ。
同じく久しぶりにドキドキしたのが、我が家のサボテンの土替え。年に1度、土を入れ替える。種から植えて今年の4月で満5年。かなり慣れてきたけれど、やはり土を替えるときは緊張する。
根を傷つけて雑菌が入っても困るし、新しい環境に馴染んでくれるかも心配。朝の掃除が終わってから、午前中に土を入れ替えた。
なかなかの仕上がり。2〜3週間は心配しちゃうけれど、なんとか元気に育って欲しい。この季節は成長期なので、土を替えるのにベストなんだよね。
写真をチェックしていたら、2年前に土を替えた時のものが見つかった。
めちゃ、ちっちゃいwww サボテンは成長速度が遅いけれど、こうして写真を比べると2年で大きくなっているんだね。大したもんだ。
平均的に7〜8年目くらいから花が咲くそうなので、来年の今ごろは期待してしまう。いつも花が咲くように話しかけているので、彼ら(彼女ら?)はプレッシャーを感じているかもしれない。でも花が咲いたら感動するだろうなぁ。きっと泣いてしまうと思う。
さて雰囲気がガラッと変わるけれど、めちゃめちゃ怖い小説を読んだ。
「1922』スティーブン・キング著という小説。
正確には『FULL DARK.NO STARS』という4つの中小編が収められた作品で、この文庫ではそのうち2作を読むことができる。残る2作は別の文庫本として出版されている。
この本には『1922』と『公正な取引』という2作が収められている。
『公正な取引』は短編で、それほど怖い作品じゃない。ガンで余命いくばくもない男が、悪魔と取引する物語。自分が憎む人間を身代わりにする、かつ収入の15%を支払うことで余命を延長できる、なかなか面白い物語だった。
強烈だったのは『1922』という作品。これは長編と言っていい分量で、とにかく怖い。就寝前に読んでしまうと、トイレに行くのが怖くなるほど。
1922は西暦のことで、この数年後には世界的な経済恐慌が起きる。そこから第二次世界大戦に突入して行くんだけれど、まだアメリカは好景気だった。だけど田舎の農家では転換期で、翌年の1923年には不況の兆しが出てくる。つまり1922年は分岐点になった1年ということ。
1922年の夏、ウィルフレッドは妻を殺す。14歳の息子であるヘンリーを言い含めて、殺害を手伝わさせる。まぁ、それほどひどい女性だったのは事実。父と息子は、殺人という共通の秘密を持つことになる。
周囲の人間も、そして保安官も、二人の計画どおりに妻が失踪したと信じる。だけど妻は井戸の底に埋められていた。これでうまく行くと思ったけれど、そうはいかない。怨霊となった妻の復讐が始まる。結論から言えば、夫も息子も死ぬことになる。
とにかく描写がエグい。そして怖すぎる。読んでいてイライラするし、怖くてゾワゾワする。だけどこの感覚は、とても大切だと思った。スティーブン・キングが次々とミリオンセラーを出すのは、このイライラとゾワゾワが理由だと思う。
これらの感覚によって、読者は次のページが気になって手を止められない。ボクはこの小説を読んでいて、異常なほど想像力が働くのを感じた。もしかするとボクはホラー小説を書くのに向いているのかも、と思った。
そういえば昨年、ある文学賞の最終選考まで残ったのはホラー小説だった。そして今の新作を書いたら、次はホラーを書こうと思っていた。どうもホラーを書け、と誰かにあと押しされているような気がする。
そのポイントになるのが、イライラとゾワゾワだろう。書いているボクがイライラして、ゾワゾワすることが大切なんだと思う。とにかく『1922』は絶対に映像化できないほどヤバい作品。気持ち悪くて、ここで内容を書けない。勇気のある人は、ぜひトライして欲しい。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。