SOLA TODAY Vol.626
日本は高齢化社会を突き進んでいるので、必然的に医療費が増大する。小さな健康保険組合にとって、その負担増は組織の存続をおびやかしている。
国の予算も医療費の増加に対応するしかない。健康保険制度が完備されている日本では、多額の税金を医療費に回さざるを得ない。
そんな状態なのに、税金を払っていない外国人の医療費が異常に増えている。その多くは中国の人たちらしい。
日本の医療水準は、諸外国に比べて高い。そのうえ健康保険を使って3割負担で済むのなら、海外からでも医療を受けに来る価値がある。だから中国から日本にやってきて、治療を受ける人が後を絶たないらしい。言い方は悪いけれど、日本の医療費が食い物にされている。
でもなぜ中国の人が、日本の国民健康保険を利用できるのか? ボクは詳しく知らなかったけれど、いくつも方法があるそう。
まずは「留学ビザ」を使う方法。現在の法律では、「留学ビザ」で3ヶ月以上滞在する人は、国保の加入が義務付けられている。もちろん留学生にとっては必要なことだろう。
だけど医療機関へのインタビューによると、明らかに観光目的で来日している人が医療機関で受診して、3割負担で済ませているらしい。国立国際医療センター病院では、不整合なケースが年間140件もあったとのこと。
来日してすぐの留学生が、高額な医療を受けに来る。それほど深刻な病気にかかっていて、留学をするとは考えられない。つまり医療目的で、「留学ビザ」を取得しているのがミエミエ。C型肝炎の治療や抗ガン剤投与必要とする留学生は、どう考えても不自然。
だけど現行の法律では、書類に不備がなければ「留学ビザ」を発行しなければいけない。区別をつけるのが難しいから、一方的な制限をすれば本気の留学生に支障が出てしまう。場合によっては、国際問題になりかねない。
別の方法としては「経営・管理ビザ」というものがある。資本金500万円以上の会社を設立して3ヶ月以上滞在すれば、国保に加入することができる。これも裏技があって、このビザを取得させるブローカーがいるらしい。
500万円を一時的に借りて、ペーパーカンパニーを作ってくれる。その架空の会社設立に協力している日本人の行政書士もいる。それらの諸費用を負担しても、日本の国保で医療を受ける価値が高いということだろう。
さらにこんな方法もあるらしい。日本の企業に就職すれば、中国人でも社会保険に加入できる。その際、中国にいる両親等を扶養家族にする。そうすれば日本の保険が適用できる。一度も中国を離れたことがない両親を、医療目的で来日させ、3割負担で医療を受けさせることができる。
基本的にこれらすべてが合法なので、今のところ防ぎようがない。税金を払っていない外国人が、日本の医療費によって便宜を受けているのは、どうもスッキリしないよね。ただでさえ、医療費の増額が懸念されているのに。
今の法律がザルのようなものだから、その穴を埋めるしかない。日本政府も本気で医療費の削減を考えているのなら、こうした法律の抜け目を防ぐ対策を取るべきだと思う。今のままでは、タダ乗りを防ぐことは無理だとしか思えない。
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