笑って、考えて、ちょっぴり泣いた
近畿はまだ梅雨入りしないで頑張っているよね。今日も朝からいい天気で、カラッとした空気が気持ちいい。
でも気温はかなり上がったのでは? 日陰は涼しいけれど、太陽の下を歩くと真夏を感じた。梅雨入りを想定して備蓄食料を多めに買ったので、今日は普段より荷物が重い。坂道をはぁはぁと息を切らせて登り、汗ビッショリになって帰ってきた。9000歩くらいしか歩いていないけれど、2万は歩いた疲れ方だった。
いよいよ梅雨入りしそうだから、じっくりと落ち着いて仕事をやろう。新作は今日でひとつの章を書き終えて、残すは最終章だけになった。そのまま最終章で終わってしまうか、エピローグ的な文章をつけるかどうかは考え中。とにかく今週はラストスパートをかけるぞ。
さて、めちゃ楽しい映画を観た。
『家族はつらいよ2』という2017年の日本映画。
元々は小津安二郎監督の『東京物語』の現代版である『東京家族』が作られた。ところがこの家族のキャラが人気を博して、シリアス路線から移行したのが『家族はつらいよ』という作品。ボクはどちらも観ていて、この家族の大ファン。
この続編は初めて観たけれど、最高に楽しかった。前回は熟年離婚がテーマだったけれど、今回は老人問題が中心になっている。現代社会の問題があちこちに散りばめてあって、笑いつつも、いろいろと考えさせられる深い作品になっている。
物語の中心は、橋爪功さんが演じる周造の運転免許問題。やたらと自動車をぶつけるようになり、家族は免許証を返上するように言う。だけど頑固な周造は意固地になるだけ。高齢者による死亡事故が増えている現状を考えると、笑うに笑えない話題だよね。
そんな周造が、高校時代の友人に出会う。事業に失敗して行方知らずだった友人は、ぼろアパートで一人暮らしをしながら警備員をして暮らしていた。別れた妻とひとり娘に会うこともできず、孤独な人生を過ごしている。これまた現代の社会問題を象徴している。
そしてこの友人が、周造の家に招かれた夜に病死してしまう。元々心臓が悪かったんだけれど、それが原因で亡くなった。古い友人と語り合い、美味しいお酒をたっぷり飲んで、「あぁ、今夜は楽しかった」と言ったのが最後の言葉。
もし自分のアパートで死んでいたら、いわゆる孤独死ということになる。そんな友人の葬儀を通じて、それまでバラバラだった周造の家族がひとつになる。ラストシーンではジンとして、少しウルウルしてしまった。
さすが山田洋次監督。今の現代社会の問題を的確にとらえて作品に反映させておられる。そして出演している俳優さんの演技が本当に素敵。息が合っていて、キャラが見事に立っている。『男はつらいよ』の登場人物たちを思い出した。
そういえば寅さん映画で定番のシーンが、この映画でもあった。周造が二階にいると思って、家族が好き勝手に悪口を言っている。だけどふと気がつくと、周造が階段に立っているというシチュエーション。
『男はつらいよ」でも他の家族が悪口を言っているとき、渥美清さん演じる寅さんが階段で聞いてるというシーンがあった。理屈抜きに大笑いしてしまう。寅さんファンのボクにとっては、とても懐かしい設定だった。
今は第3弾が公開中とのこと。映画館に観にいくことはないけれど、DVD等になったら必ず観るつもり。疲れた仕事の手を止めて、ちょっとほっこりしたい人にオススメの映画だよ〜!
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
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