SOLA TODAY Vol.648
「定額制」があらゆる分野に定着しつつある。音楽や映像だけでなく、タクシー業界にまでその波が広がっている。ボクもApple Musicに加入していて、それなしでは過ごせない状況になっている。
以前にカフェの「定額制」をこのブログで紹介したことがある。もしお気に入りのカフェが自宅や職場から徒歩圏内にあるのなら、定額制は検討したくなると感じていた。
実際にいくつかスタートしているけれど、まずまずの業績をあげているらしい。その理由はとても納得できるものだった。
カフェの定額制でもっとも気になるのは、採算が取れるのかどうかということ。コーヒーの利益率は高いだろうと想像できるけれど、それは一杯ごとに料金を取るから。定額制になれば、その利益を一気に食いつぶしてしまうような気がする。
当然ながらカフェの経営者そのことを理解している。それでも定額制に踏み切るのは、ライバルに対抗するため。そのライバルとは同業者じゃない。
それはコンビニ。
ボクはときどきセブンイレブンのコーヒーを飲むけれど、あれはかなり美味。100円であの味ならば、休憩時間でコンビニのコーヒーを選択する人は多いと思う。3杯飲んでも、スターバックスのトールサイズ一杯分より安いから。
こうなるとカフェとしては、客を囲い込むしかない。定額制ならば、とりあえずコーヒーが飲みたくなったら来店してくれるはず。利用者の立場として元を取ろうと意識するから、コンビニを通り過ぎてもそのカフェへ行くだろう。
こうなるとカフェにあって、コンビニにないものを提供するしかない。それは快適な『空間』だと思う。
カフェに行くのは、コーヒーが美味しいことは前提だろう。でも味だけで勝負したら、価格との兼ね合いでコンビニに対抗するのはきつい。その代わり、コンビニで落ち着いてコーヒーを味わうことは難しい。その場ですぐに飲むか、持ち帰ることになる。
だけどセンスのいいカフェなら、落ち着いた雰囲気でゆっくりとコーヒーを味わえる。電源や無料のWi-Fiがあれば、ちょっとした仕事だってやれる。その空間込みの定額制によって、消費者を囲い込むしかない。成功しているカフェは、そのことを十分に理解しているんだと思う。
この記事によると、定額制のメリットは他にもある。2月と8月は、昔からサービス業にとって苦戦する時期。だけど定額制にすることで、以前なら落ち込んでいた集客が安定しているらしい。先ほども書いたけれど、元を取りたいという人間心理が働くから、暑くても寒くてもカフェに足を運ぶのだろう。
この先、ますます定額制は浸透していくだろうね。この視点で、新しいビジネスを考えている人は多いと思う。ボクなら美味しいベーカリーショップが定額制を始めたら、迷わず登録すると思う。いつ行っても、好きなパンが食べ放題なんて夢のよう。めちゃ太りそうだけれどねwww
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。