SOLA TODAY Vol.649
ネット社会に流通している個人の嗜好や消費動向。それはらビックデータと呼ばれ、企業が必死になってその収集にエネルギーを注いでいる。任意のアンケート等で集めたデータとちがい、ありのままの社会が投影されているからだろう。
そんなビックデータを集める方法として、17歳の起業家がユニークなことを考えついた。
レシートが1枚10円にかわるアプリ「ONE」公開、17歳起業家が新たに目指すのは“次世代の金券ショップ”
スーパー等に買い物へ行くと、必ず渡されるレシート。ほとんどの人は財布の中で眠っているか、すぐに捨ててしまうだけのはず。そのレシートを、1枚10円で買い取るアプリがリリースされている。
目の付け所が素晴らしいよね。日々の買い物は、その個人の趣味趣向がモロに反映される。ネットやカードを使って買ったものはビックデータとして残るけれど、現金決済をしたスーパーの売り上げ内容を、個人単位で把握するのはこれまで難しい状況だった。それをアプリにしちゃうんだからね。
購入金額や内容は関係ない。とりあえずレシート1枚につき10円が支給される。ユーザーが写真に撮って送信できるのは1日10枚までで、買取額はアプリ内のウォレットに送金される。300円以上になると出金できる。
出金の際に個人情報を求められるので、そのレシートを売った人の性別や年齢等を把握できる。このデータなら、喉から手が出るほど欲しい企業はいくつもあるだろう。これは絶対にビジネスになるし、ボクもアプリをダウンロードしようと思っていた。
ところが……。
レシート1枚10円で買う「ONE」、約半日で買取レシート数10万件突破も買取を一時ストップ
なんとアプリがローンチされて、わずか半日で買取がストップされている。それはトラブルではなく、申し込みが殺到したから。
月に1万件のデータが集まればいいというつもりで、このアプリを開発したらしい。ところが半日で10万件を超えてしまった。想定外の反響に、この会社が対応できなくなったらしい。
そりゃそうだよね。塵も積もれば山となる、ということだろう。今まで捨てていたレシートを写真に撮るだけでお金になるんだからね。そりゃ殺到すると思う。
貧乏臭い気はするけれど、やっぱりこのアプリをダウンロードしたくなる。当分は対応に追われて一時停止が続くだろう。少し落ち着いたら様子を見て、参加できそうだったら登録してみようかな。それにしてもこれを考えたのが17歳だなんて。すごい時代になったよね。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。