SOLA TODAY Vol.650
久しく音楽ライブに行ってない。やや禁断症状が出つつある昨今なんだけれど、公演場所の問題とチケットが取れないのでどうしようもない。
昨年のエド・シーランのチケットは3度応募して全滅。ケイティ・ペリーもテイラー・スウィフトも関東公演だけ。クリーン・バンディットなら関西まで来てれるだろうと思って調べると、今年の1月に来日して、大阪でライブをやっていた。あれ? なんで見逃したんだろう(涙)
チケットが取りにくいのは、ファンが多いだけなのが理由じゃない。いわゆるダフ屋という連中が暗躍していて、組織力を使って大量にチケットをゲットしてしまう。そしてそれを転売して利益をあげているから。つまりチケットの価格が適正ではないということ。
そんなダフ屋行為を排除するため、最近では新しいチケット販売のシステムが試行されている。
通常ライブのチケットは、S席いくら、A席いくら、と決まっている。最近多いのはプレミアムチケットという、少し高額なもの。ボクは数年前にKISSのライブでプレミアムチケットを購入して、メンバーの顔が肉眼ではっきり見える席でライブを楽しんだことがある。
だけど新しい販売方法は、完全に「価格変動制」になっている。消費者の需要動向を見ながら、コンピュータのアルゴリズムがチケットの価格を決めていくもの。ワールドツアーをスタートさせたばかりのテイラー・スウィフトが、このシステムを採用しているらしい。
売り出し当初は申し込みが殺到するので、いきなりチケットが1500ドルに高騰している。これならダフ屋も手が出せない。やがて販売が落ち着くと、995ドルと下がり、今年の4月には595ドルになったとのこと。
だからどうしてもライブに参加したいと思っている人には、買い時が難しくなっている。良い席は高値で売れてしまうだろう。でも席にこだわらなければ、少し我慢すれば安値で買える。
さらにダフ屋の介入を防ぐことで、ツアーの主催者には適切なお金が入ってくる。定額で売るからダフ屋が横行するわけで、価格変動制になれば株価と同じになり、利益目的だけの連中は簡単に手を出すことができない。
もちろん賛否両論はあるだろう。金持ち優遇という意見が殺到するかもしれない。でも現状なら安くてもチケットが手に入らない。結局はダフ屋にふっかけられて、高値でチケットをつかまされることになる。
この変動制は映画館でも導入されているらしい。昼間の少ない時間は安くなって、金曜日の夜のような混雑時には高くなる。AIが普及してきたことで、このようなことが可能になってきたのだろう。
ボクとしては賛成。ものの価値というものは、相対的であるべきだと思う。有名なアーティストがこのシステムを普通に使うようになれば、変動制が当たり前になってくるかもしれないね。
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