SOLA TODAY Vol.671
昨晩、『家、ついて行っていいですか?』という番組の録画を見ていた。先週分の放送でキングコングの西野さんの自宅が紹介されるとのことだったので、いつもより楽しみにしていた。
西野さんの登場のあとに出てきた人が現役の歯医者さん。お金持ちそうに思うけれど、なんと1億8千万円もの借金を抱えているらしい。その理由は、スマートデイズという住宅サブリース会社の破綻だった。
スルガ銀行が無茶苦茶な融資を行った結果、スマートデイズは破綻。賃貸業務を委託していた不動産の所有者は、家賃の回収もできず、さらに多額の借金を抱えることになる。こんなヤバい案件に投資するってどんなアホな人だろうかと思っていたところ、偶然にも見ることができたw
このスマートデイズの事業がどれほど危ないものかを、的確に説明した記事がある。
シェアハウスは儲からない。スルガ銀行融資の事業破綻、悪いのは業者か銀行か
この記事を読むとよくわかるけれど、経済感覚がない人には錯覚させるシステムになっている。スマートデイズが用意した不動産を、出資者は買い取る。そしてその物件をスマートデイズが借り受けて、賃貸経営をする。
満室になったことを想定した家賃の80%から経費を差し引いたものが、毎月出資者に保証される。手持ち資金がなくても大丈夫。なぜならスルガ銀行が融資してくれるから。
ここが大問題なんだよね!
銀行は生き残りに必死。何が何でもお金を借りて欲しい。だけど個人の審査をしていたら事務的な手間は膨大になる。だけどスマートデイズが担保することで、融資の審査が通りやすい。
表向きは個人に融資しているんだけれど、実質的にはスマートデイズに融資しているのと同じ。普通の銀行なら、スマートデイズの経営能力を超える融資をしないだろう。だけどスルガ銀行は一線を超えてしまった。
名目上は個人への融資なので、スマートデイズの枠を超えて貸してしまう。出資者は手持ち資金が少なくても、不動産投資をすることができる。自分が借入した資金を含めて投資額だと自覚できる人はいい。
だけどほとんどの人は自己資金しか頭にない。スマートデイズにそう説明されるからだと思う。その少ない自己資金に対して、これだけの家賃収入が見込めて、ローンの返済もできます。そう錯覚してしまう。
問題はスマートデイズがシェアハウスを中心に営業していたこと。シェアハウスは家賃を低めに抑えてあるので、思ったほど家賃収入が見込めない。建築会社が行っているサブリースなら、建物の建築で利益を補填することができる。
でもスマートデイズは中古物件等をリフォームして運営しているから、家賃収入と店子の入れ替えによる礼金等の収入しかない。それで出資者に家賃保証をするのは、どう考えても難しいということ。普通の経済感覚を持っている人なら、破綻するのは目に見えているはず。
普通は銀行がストップをかけてくれるんだけれどね。そういう意味では、スルガ銀行はかなり悪質。それほど銀行業界はあせっているんだろう。
投資に甘い話はない。これは昔から言い古されてきた言葉だけれど、いつまでたっても同じことで失敗をする人がいる。この記事の内容を理解できない人は、不動産投資なんかしないほうがいい、と記事の最後に書かれている。まさにそのとおりだと思うよ。
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