駄作でよかった
さすがにブログの冒頭で『暑い』と書くのに飽きてきた。でもそれしか出てこない。暑いよねぇ。
神戸は風が吹くことが救いなんだけれど、今日はほぼ無風に近い。たまに吹いても、方向がちがうらしく部屋に入ってこない。せめて風が吹き込んでくれたら楽に過ごせるんだけれどな。
それでも神戸は他の地域に比べたら涼しい。今日の最高気温は34度に到達するかどうかだろう。ここのところ神戸は猛暑日になっていない。すぐ近くの京都は38度を超える酷暑だから、あまり贅沢を言ってはいけないかもね。
暑い日々が続いているけれど、仕事は順調にこなしている。おおよそ予定している通りに進んでいる。でもそれでもかつかつの進捗状況なので、気を抜くわけにはいかない。まだ全体の3分の1ほどだから。
不思議なものでそうして必死になって書いていると、いいことがある。今後の展開で検討しているクライマックスシーンがあって、まさにそれを映像化した映画を観た。
『セル』という2016年のアメリカ映画。いわゆるSFホラーの作品で、原作はスティーブン・キング。彼がこの映画の脚本も書いている。日本で公開されたのは2017年の2月とのこと。比較的新しい作品だよね。
主演はジョン・キューザックで、相手役としてサミュエル・L・ジャクソンが出演している。
ジョンが演じるのは、クレイというコミック作家。妻と息子を残して別居しているが、成功したら家に戻ろうと考えている。そしてようやく作品が発表されることになり、空港から妻に電話を入れる。ところがバッテリー切れとなって、息子と話している途中に通話が途絶えた。
あわてて公衆電話から電話をかけるが、その直後に異変を感じる。携帯電話を使っていた人が、一斉に口から泡を吹き、周囲にいる人を殺し始めた。手当たり次第に殴り殺したり、警官は銃を乱射している。正常なのは携帯電話を使っていない人だけ。
世界中の携帯電話に特殊なパルス信号が発信され、それを耳にした人は生きながらゾンビ化する。そうこの映画はゾンビ映画だった。
冒頭の空港のシーンは壮絶。正常な人たちはパニックになって逃げ惑い、ゾンビ化した人は獲物を狙って殺しまくる。飛行中の旅客機は衝突して、空港に墜落してくる。こりゃすごい映画やわ、とめちゃ興奮した。
ところがこのあとがアカン。急に低予算のゾンビ映画になってしまった。クレイは妻と息子を助けるために、自宅へ向かおうとする。ところが次々とゾンビが襲ってくるという設定。
そしてなぜそんなパルス信号が流れたのかも明かされないまま、奇妙なエンディングを迎えてしまう。映画館でお金を払って観た人は、かなり怒り狂っただろうなぁ、と想像する終わり方だった。名優を使っているのに、とんでもないC級映画になっている。
ただね、『ダーク・タワー』シリーズにハマっているボクには、ちょっと理解できる終わり方だった。クレイと息子が3つのちがうエンディングを迎えるけれど、あれはどうも『ダーク・タワー』で登場するパラレルの異世界を象徴しているように思う。だけど普通は伝わらないだろう。
もうひとつ観てよかったのは、ボクが今書いている新作で、同じようなシチュエーションを想定しているから。携帯電話じゃないけれど、街を歩いている大勢の人が、突然自分を見失って周囲の人を殺すというシーンを想定している。
その雰囲気を映像で観ることができたので、ボクとしてはめちゃラッキーだった。おまけに駄作だったので、二番煎じにもならない。中途半端なエンディングでよかったなぁ、と映画を観ながら思っていた。
せっかくすごい映像を観たので、ボクの小説に使わせてもらおうと思う、ちなみに原作はもっと面白いはず。機会があれば、ぜひ読んでみよう。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
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