SOLA TODAY Vol.699
ボクたち50代の青春時代を象徴するアイテムとして、絶対に外せないものがある。それはラジオ。
特にラジオの深夜放送は、中高生の成長にとって必須アミノ酸より大切だった。新しい音楽を聴く機会だけでなく、バカげたコーナーで笑い転げたり、深刻な悩み相談を自分に置き換えたりしながら、大人と子供の境界線を行ったり来たりしていた。なんとも懐かしい。
ボクは京都だったので、AMは主にKBS京都(当時は近畿放送)を聴いていた。FMはFM大阪がメインだったな。ラジカセに録音して、なんども聞き返していた記憶もある。
日曜日の昼間に、4時間くらい生放送されている近畿放送のリクエスト番組があった。ボクは烏丸通にある近畿放送のビルまで行って、リンゴ・スターのソロアルバムを持参した。そしてそのレコードをかけてもらったこともある。
京都タワーの北に、今は家電量販店のビルになっている場所がある。以前は近鉄百貨店で、ボクが子供のころは丸物という百貨店だった。その屋上の遊園地で『丸物わいわいカーニバル』という番組の公開録音が行われていて、まだブレイクする前だった司会の笑福亭鶴瓶さんを見るために何度も通った。
そういえば同じ鶴瓶さんがやっていたラジオ番組で、河島英五さんのライブに参加したことがある。その帰り道、河原町二条から三条に向かって歩いていると、目の前に長身の男性と背の低い女性がいた。なんとライブを終えた河島英五さんとマネージャーの女性で、ボクは声をかけて一緒に三条まで歩いたことがある。
なんだか前置きがめちゃ長くなってしまった。思い出があふれてくるからね。それほどラジオと普段の生活が密着していた時代だった。
ところが想像するまでもなく、現代のラジオは衰退している。特に若い世代のラジオ離れは深刻な状態らしい。
生まれたころからネットが普通にある世代にとって、ラジオは過去の遺物でしかない。もっと楽しいメディアが山ほどあるんだから。
明らかに若い世代のラジオ離れが進み、反対に高齢者のリスナーが増えているらしい。でもその実態としては、ラジオ世代が高齢化しただけのことだろう。増えているのではなく、世代が移行しただけだと思う。
だけどラジオが見捨てられているわけでもないらしい。コンテンツとしての価値は認めらていて、広告収入は増えているとのこと。
それはradikoというアプリのおかげらしい。ラジオなんて自宅にある人のほうが今は少ないだろう。我が家にもない。だけどこのアプリがあれば、近隣の地域は無料で、少し課金すれば全国のラジオ番組を聴くことができる。
2年前にボクはFM愛知の番組に出演させてもらったことがある。そのときも、このradikoでオンエアーを聴いていた。スマートフォンで気楽に聴けるようになったことで、ラジオのコンテンツとしての価値が見直されているらしい。
AIスピーカーでもこのアプリを呼び出して、FMで音楽を聴く人が増えているそう。コンテンツさえ魅力的なものにしていけば、ラジオというメディアが生き残ることはできるような気がする。
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