SOLA TODAY Vol.700
気象に関して言えば、今や正常と異常の区別が困難になっている。7月に西日本を襲った豪雨も、その後の全国的な酷暑も、従来の感覚なら異常気象だと分類されるものだろう。
だけど果たして異常なのだろうか? むしろこのような振れ幅の大きい気候が、今の時代では正常なのかもしれない。そしてそれは海外でも起きている。
カリフォルニアが雨の記録に関して、世界最高を更新したらしい。でもそれは雨量じゃない。
更新したのは、雨が降ったときの気温。世界で一番『熱い雨』になった。
酷暑は世界中を席捲している。日本を含む東アジア、ヨーロッパ、そしてアメリカ等。北半球のほとんどが異常な暑さを経験している状態。
カリフォルニアでは、今年の最高気温が52.7度を記録したらしい。これはあと1度少しで世界新記録になるほどの暑さとのこと。
ただ暑くても、気温が37度を超えて雨が降ることはまずないらしい。だけどそんな常識が簡単に打ち破られている。今年のカリフォルニアでは、気温が48.3度のときに雨が降った。もう想像を超えている。
降ったときの状況はこんな様子だったらしい。
「気温が高く、湿度は11~15%しかなかったため、降った雨の大半は蒸発してしまい、雨量計にも降水の痕跡が残るだけだった。それでも雨が降ったのは確かで、降雨時の気温としては史上最高を記録したことは間違いない」
あまりに暑すぎて、雨が降ってもあっという間に蒸発してしまう。文字どおり、『焼け石に水』という状態。住民によると、呼吸をするのも苦しいほどの雨だったらしい。その地域全体が高温のサウナのような状態だったんだと思う。
日本でも今年は観測上の最高気温が更新された。台風12号は過去の台風とまったく反対の動きを見せた。200人以上が亡くなる豪雨も発生した。
気象について、常識とか正常という概念は捨てたほうがいい。想定外のことが起きることを、想定内しておくべき。過去の経験を根拠のない安全の担保にするのではなく、単なる自分の知識の限界としてとらえておくほうがいい。
つまり、その限界を超えた世界が存在するということ。昨今の気候の激しさは、そこまで考えておく必要があるように感じる。
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