SOLA TODAY Vol.710
核兵器の存在によって、世界規模の戦争が起きる可能性は減少している。一線を超えてしまうと、人類の存続に関わることになるから。皮肉なことだけれど、破壊的な兵器によって微妙な平和が維持されているのが世界の現状だろう。
それゆえに単発的なテロは後を絶たない。それは戦地の最前線のいる兵士ではなく、一般市民の命が狙われているということ。政治的介入によってテロを防ぐことも大切だけれど、未然にテロ行為を発見して自衛することも必要になる。
そんな流れを受けて、ロサンゼルスの地下鉄でこんなことが行われる。
ロサンゼルスの地下鉄にボディースキャナー導入が決定。遅延の心配は?
来月からロサンゼルスの地下鉄にボディースキャンーが導入されるらしい。テストはほぼ終了していて、実用化のめどが立っているとのこと。どんなものなのか、記事から抜粋してみる。
『使われるのは、テラヘルツ波を照射する「Thruvision TAC-TS4」というポータブル型のスキャナー。これは銃火器や爆発物を検知する装置で、キャスターで駅構内を自由に移動させることができます」
かなり本格的なもので、なんだか物々しい雰囲気。空港とちがって地下鉄はチェックが甘いから、爆発物を持ち込みやすいからだろう。こんな感じでチェックをするそう。
ただ問題なのは、ラッシュ時の対応だろう。1時間に600人をスキャンできるので、ラッシュ時の対応は可能だと当局は発表している。だけど実際に怪しい人物がいたり、それに関わる人的負担を考えたら、かなり混乱するように思う。
もし東京の地下鉄やJRで実施したら、通勤時間帯の列車移動は完全に麻痺してしまいそうな気がする。キャスターで移動できてコンパクトに使えるそうだけれど、日本の通勤ラッシュは半端ないからね。
だからといって、今のままでいいとは思えない。先日も新幹線で殺傷事件があった。組織的なテロ行為だけででなく、凶悪なサイコパスの犯罪に対しても警戒が必要になっている。日本もこうした設備の導入を検討する必要があるのかもしれない。
結局一般市民の安全を確保するためには、同じ一般市民が協力するしかないということだろう。そうでもしないと気軽に地下鉄に乗れないなんて、どうにもやりきれない気分になる。だけどこれが、世界の実情だということだろうね。
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