自殺を思いとどまらせた青年の勇気
昨日の夕方のブログを書いていた段階で、雨はほとんど降っていなかった。午後7時すぎてから少し降ったけれど、その後も大した雨じゃない。
ところが日付が変わる少し前から降り出した雨は、とんでもない大雨だった。雨と風の音がうるさいうえ、警報や避難指示が出でスマホが鳴るので寝られない。
それで雨雲レーダーを見ると、神戸市灘区いったいが『紫色』の表示になっていた。2時間足らずで100ミリ以上の雨が降ったらしい。四国の徳島に上陸したあと、姫路に再上陸した。兵庫県は台風20号の直撃を受けたせいで、想像を超えた雨と風に見舞われてしまった。
ウトウトするのが精一杯だったので、我が家は全員寝不足。なんとか仕事はこなしたけれど、眠くて仕方ない。ミューナも眠れなかったようで、今日は朝からずっと爆睡中。まだ寝てるwww
ありがたいことに今日は涼しい風が吹いて、気温が低め。これなら今夜は熟睡できそう。ここのところ最高気温が37度近くあって、夜になっても気温が下がらない。寝苦しいところへ台風だったから、睡眠負債がかなり蓄積していると思う。しばらく涼しかったら助かるんだけれどな。
眠いので昼寝するかどうか迷いつつ。いつものように映画を観た。昼寝と天秤にかけてしまったけれど、映画を選択してよかった。だって、めちゃめちゃ素敵で面白い映画だったから。
『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』という1992年のアメリカ映画。この映画の主演はアル・パチーノだと知っていたし、彼のことは大好き。『ゴッド・ファーザー』シリーズなんて、何度観たかわからないほど。『スカーフェイス』なんかも最高だしね。
ところがこの映画は、どうもタイトルで敬遠していた。なんとなく恋愛映画の匂いがして、ジゴロの男でも登場しそうなタイトルだからね。
でも、ごめんなさい。こんな素敵な映画だと知っていたら、もっと早くに観るべきだった。この映画はラブストーリーなんかじゃなくて、人生に絶望した退役軍人と青年の友情を描いたヒューマンドラマだった。
感動して、どれだけ涙が出たことか。おいおい、アル・パチーノ、カッコよすぎるやん。いま思い出すだけでも、涙がにじんできた。
軍の中佐だったけれど、全盲になって退役したフランク。退役軍人用の老人施設にいたけれど、そこを出て姪の世話になっていた。ある日姪の家族が旅行に行くことになり、彼女はアルバイを探す。留守の間にフランクの面倒を見るという仕事。
優秀だけれど苦学生でお金に苦労していたチャーリーは、このバイトに飛びつく。姪家族が旅行に出たあと、フランクはチャーリーをニューヨークに連れ出す。飛行機はファーストクラスで、高級ホテルも予約済み。学校でトラブルを抱えていたチャーリーは固辞するが、強引に連れていかれる。
フランクの目的は、有り金を使い果たして自殺することだった。人生に絶望していて自分のことを『ダメ男」だと思っているフランクにとって、この世界は生きるに値しない。
だけど少しずつフランクに惹かれていったチャーリーは、なんとかして彼の自殺を止めようとする。そのクライマックスシーンは絶対に映画で見たほうがいい。張り詰めてひりつくような緊張感と、その後の勇気あるチャーリーの行動に涙が止まらない。
やがてフランクはチャーリーを本当の息子にように思い、継父との折り合いが悪いチャーリーもフランクを本当の父のように慕う。そしてその二人の信頼関係が、トラブルを抱えたチャーリーを救うことになる。
もしボクのようにまだ観たことがない人がいたら、絶対にオススメの作品。これほど凄まじい演技を見せてくれたアル・パチーノのを知らないのは、もったいないと思う。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。