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高羽そらさんインタビュー

伴走者であるということ

台風21号が関西に及ぼした被害だけでも目を覆うほどなのに、今朝北海道で大きな地震があった。最新の発表では震度7とのこと。

 

被害の様子を見ているだけで、とんでもないことが起きたのがわかる。これからさらに被害の全体像が明らかになってくるだろう。とにかく一刻も早く電力が回復することを願っている。

 

病院等には自家発電や蓄電池設備があるけれど、そんなに長くもたない。電力の停止が命に関わる人が病院には大勢いる。泊原発は再稼働できる状態らしいから、今こそが英断するときだと思う。この大きな地震でも構造に問題ないことが証明できたんだから、電力の確保のためには再稼働させるべき。どうしよもないけれど、しばらく心配する日々が続きそう。

 

実はボクも昨晩から今朝にかけて大変だった。3日前から左の下の奥歯近くに口内炎ができて、昨日はかなり強い痛みだった。とりあえず痛み止めを飲んでやり過ごしていたけれど、昨日の午後11ごろになって全身に震えが走った。

 

この感覚には経験がある。京都にいるころ、生牡蠣を食べて食中毒を起こしたことがある。そのときの発熱と同じだった。2時間近くも身体の震えが止まらず、スマホを持つてもガタガタと左右にゆれる。そしてその後に一気に熱が出た。

 

最初は食中毒を疑ったけれど、お腹はまったく問題ないし吐き気もない。すぐに口内炎が原因だとわかった。おそらく雑菌が入って、強い炎症を起こしたんだろう。それでその雑菌を殺すために、発熱したんだと思う。測っていないけれど、おそらく38度台の発熱だったはず。

 

そのまま午前4時ころまで眠れなかった。ようやく汗が出て熱が引いたので、2時間くらいは眠れたと思う。でも苦しんだおかげで、起きてからは口内炎の痛みが消えた。食事もまともにできる。雑菌が死滅したことで、炎症が治まってきたんだろうね。身体の仕組みというのは、本当にすごいと思う。

 

だけど今日のボクはヘロヘロ。一晩中熱と格闘していたので、エネルギーを使い尽くしたらしい。やたら空腹を覚え、低血圧のような状態になる。断食をしたときと良く似ている。なんとか仕事をしたけれど、今日はこれ以上無理だな。早く寝て、明日頑張ろうと思う。

 

さて、とても感動する小説を読んだ。めちゃオススメなので、ぜひ大勢の人に読んで欲しい。

 

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「伴走者』浅生鴨 著という小説。伴走者という言葉を聞いたことがある人は多いと思う。だけどその実態を知っている人は限られているだろう。ボクもそうで、この小説を読んでその世界をくわしく知ることができた。

 

この単行本には2編の小説が収められている。『夏・マラソン編』と『冬・スキー編』の二つ。

 

マラソン編の主人公は淡島という名の元陸上選手。勝負に勝つことよりも、自分の記録にこだわる選手だった。だから自分の設定したタイムどおりに走ることにこだわっていて、勝負よりもタイム重視だった。

 

そんな淡島が、内田という視覚障害者から伴走者にならないかと持ちかけられる。元サッカー選手で、自動車事故で視力を失った。内田はそこで絶望することなく、パラリンピックで金メダルを取ることを目指す。そしてそれが手に届くところまで来ていた。

 

勝つためには手段を選ばない男で、そこが淡島とは正反対。それゆえ内田は、あえて淡島に伴走者となってくれることを依頼する。まだ新しい小説なので、ネタバレはこれくらいにしておこう。

 

もうひとつのスキー編は涼介という男性が主人公。元スキーのアルペン競技の選手で、日本で最速の記録を持っていた。だが勝つことしか意味がないと思う人間で、社会人になるとあっさりと引退してしまう。


そんな涼介が会社から命令を受ける。パラリンピックで世界を狙える選手がいて、その選手の伴走者になって欲しいという命令だった。その選手は晴という名の女子高生だった。スキーの伴走者などやったことがない涼介だけれど、晴の才能をみて伴走者となることを承諾する。

 

と簡単に書いたけれど、本当に素晴らしい小説だった。淡島は伴走者になることで勝負に勝つことの意味を知り、涼介は晴と練習することで、勝負だけがすべてではないことを知っていく。

 

この本が素晴らしいのは、視覚障害者についてとてもくわしく書かれていること。印象に残っているのは、晴が列車に乗っているときのこと。つり革につかまって立っていると席をゆずられた。彼女はそのことに心のなかで立腹したという経験を涼介に話すシーンがある。

 

「わたしは目が見えないだけ。立つこともできるし、歩くこともできる。何もできない弱い人間だと思って欲しくない」という意味のセリフを涼介に言う。このシーンのように、ハッとするやり取りがいくつも出てくる。ボクたちが、視覚障害者の現実をまったく理解していないことを思い知らされる。

 

とにかく読んで絶対に損はしない小説。一人でも大勢の人に読んでもらって、視覚障害者と伴走者について知って欲しいと思う作品だった。

 

decoration/dcr_emoji_238.gif『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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