SOLA TODAY Vol.727
ネット社会が便利なのは言うまでもない。特にSNSの進化は、人間同士のコミュニケーションを大きく変えた。もはやメールでさえオワコンの気配が漂っている。
だけど問題がないわけじゃない。SNSによるイジメや、誹謗中傷は後を絶たない。デマが飛び交う元凶になることも多い。なかでも最大の問題は、莫大なビックデータが一極集中しているということ。
ボクたちがSNSを利用する場合、TwitterやFacebookにアクセスする必要がある。プラウザ経由であろうと、スマホのアプリであろうと、すべてのデータはサイトの管理者へ集められる。
それゆえ個人データの漏えいや、Facebookで起きたように広告データの悪用等の事件が起きる。それもこれも、データが中央集権化されているから。
そこでそんな問題を解決するシステムが、ようやく具体化されつつある。
GoogleやFacebookなどの巨大な管理者なしで個人同士がつながりを作り出す新しいウェブの世界「Dweb」とは?
それは「Dweb』と呼ばれている。「Decentralised Web」をまとめたもので、巨大な管理者なしで利用者たちが個々につながる分散型のネットワークシステムのことをいう。
ここまで書けば、すぐ頭に浮かぶものがあるはず。それは仮想通貨を構成しているブロックチェーンというシステム。この『Dweb』は、ブロックチェーンをSNSとして利用しようとするもの。他でも動きがあるので、これからはこのシステムが主流になってくるだろうと思われる。
ブロックチェーンって何よ? そう思った人は、ちょっとヤバい状況だと自覚したほうがいいかも。わかりやすく説明した本はいくつもあるし、ネットでも調べることができる。お金を含めた社会生活のすべてが、ブロックチェーンによって運用される時期はすぐそこまで来ているからね。概略だけでも知っておくほうがいいと思うよ。
これだとFacebookやAmazonのような特定の企業にデータを独占されることがなくなる。それゆえ先ほどのような問題が起きない。個人を特定できる方法さえ完璧になれば、誰かに管理されることなく情報発信ができる。
これが浸透すると、従来の広告型ビジネスが崩壊する。個人のデータを集めて、その人に合った広告を打つことができなくなるから。この記事によると、少額の決済システムを導入することで、情報の発信者と利用者が、個別に利用料のやり取りをできるようになるとのこと。これはクリエイターにとっては朗報だと思う。
もちろん問題がないわけじゃない。この記事でも取り上げられているように、デマを簡単に削除できないということ。今ならFacebookやTwitterの管理者が、不適切な投稿を強制的に削除できる。でも管理者不在となれば、そうした情報が野放しになる可能性がある。
まぁ、こういうものは常に問題と向き合っていくしかないのだろう。だけど大切なのは、新しい問題が発生したからといって後戻りしないこと。試行錯誤しながらも、より便利になるように前進するべきだと思う。「Dewb』どのように進化するか、とても楽しみにしている。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
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