SOLA TODAY Vol.728
技術の進歩が、有益なことばかりに使われるとは限らない。
そもそもボクたちが便利だと思って使用している技術の多くは、軍事目的で開発されたものであることはよく知られている。
つまり権力者が自分たちの都合のいいように、そうした技術を悪用できるということ。
中国のキャッシュレス化を一気に加速させたQRコード。その影響は日本にまで及び、QRコードの規格統一が進められている。そんなQRコード先進国の中国が、この技術を恐ろしいことに使用しているらしい。
中国fがチベットとともに弾圧を加えている新疆ウイグル自治区では、イスラム教信者のウイグル族自宅にQRコードを設置して、住民の管理および監視に使っているという暴露記事。
それはこんな様子らしい。
「2017年春から、人が出入りするすべての家にQRコードが設置されている。設置後は、2日おきか毎日、役人が来てQRコードをスキャンする。その家の住人の人数が記録されているからだ。その頃から、家に来ている訪問者に対して、『なぜここにいる?』と質問するようになった。夜にも確認に来る」
別の住民はこんなことも言っている。
「パスポートを申請したとき、DNAサンプルと虹彩スキャンデータを採取された。また動画も撮られた。字が読める人は新聞を読み上げるところを、字が読めない人は『歌を歌ってもいいし、作り話をしてもいい』
中国政府の見解として、テロを防止するための措置だと表明している。だけどこれはどう見ても、この地域の住民を監視するためのものであることは明らか。
QRコードをこうしたことに使うという発想は、日本では考えられない。中国にはまだ、文化大革命のときのような暗黒の支配体制が根強く残っているのかもしれない。
まだ管理しているだけならいいけれど、このデータを悪用されたらもっと怖い。テロを画策しているという証拠を捏造されたら、どれだけ弁明しても無理だろう。
日本は経済や最新技術において中国に追い抜かれてしまったけれど、こんな記事を見るとその急激な進歩のアンバランスな部分が不気味に思えてくる。やがてそのアンバランスが均衡を保とうとして、変な方向に突き進む可能性がある。
そのとき日本はどうするのか? 今の政府がそこまで考えていることを願うしかない。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする