SOLA TODAY Vol.758
自宅に紙の本があるというだけで、子供の学習能力に大きな差が出るらしい。あなたの子供が小中学生なら、まだ間に合うかもしれない。
子どもの時に、自宅に紙の本が何冊あったかが一生を左右する:大規模調査
16歳のとき、自宅に紙の本が何冊あるかでその後の学習能力にちがいが出るとのこと。調査を行ったのは、オーストラリア国立大学と米ネバダ大学の研究者たち。2011〜2015年に31の国と地域で、25〜65歳の16万人を対象に行われた「国際成人力調査」のデータを分析した。
調査では本の冊数を確認したあと、読み書き能力、数学、情報通信技術のテストを受けてもらった。記事から抜粋してみる。
『その結果、本がほぼない家庭で育った場合、読み書きや算数の能力が平均より低かった。自宅にあった本の数とテストの結果は比例し、テストが平均的な点数になるのは自宅に80冊ほどあった場合だった。ただし350冊以上になると、本の数とテスト結果に大きな関係性はみられなくなったという』
統計学的に見ても、明らかな有意性が認められる。面白いのは学歴に関係ないということ。中卒程度の学歴でも、自宅に多くの本があった人は成人してから高い能力を発揮しているそう。
さらに興味深いのは、数学の能力も高いという結果が出ている。いわゆる文系の能力が高くなるならわかるけれど、理数系の学習能力にも影響するらしい。まだ詳しい理由はわかっていない。あくまでも自宅にあった本の数を聞いているだけで、どの程度内容を読んだかまでは確認していないから。
そういえばボクが本を好きになったのは、父親の影響が大きい。父は中卒だけれど、祖父が印刷業をしていた関係で漢字に強かった。いつも活版印刷の活字を拾う作業を手伝っていたからだと聞いている。
それで父は時代小説が好きになり、自宅に吉川英治さんの書籍がいくつも置かれていた。『太平記』、『新書太閤記』、『三国志』等が何気なく居間に置いてあって、ボクも自然と手に取るようになった。今だに時代小説が好きなのは、その影響が強いと思う。
おそらく自宅に本があることで、人間の知的部分に影響を与えるような気がする。実際に読むかどうかは別にして、なんとなく手に取るだけで好奇心を刺激するのかも。10代の少年少女にとって、それほど環境の影響が大きいということだろう。
そうなるとこの先に両親が電子書籍世代になると、その子供たちは紙の本を手に取ることができなくなる。それがどのようなことになるか、今は想像もつかない。スマホやタブレットというもので、知的好奇心を刺激するようになるのかな?
とにかく今の段階において、紙の本が有する効用として、その書籍の内容を超えたものも含んでいるような気がするなぁ。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする