いい変化に、動機は関係ない
何かをやるのに、動機なんてどうでもいい。有名なミュージシャンがバンドを始めた理由で、女性にモテたかったから、というのがいい例。
動機が何であれ、好きなことを見つけ、それに邁進できるほど幸せなことはない。
とにかく動機は、強ければいいと思う。やろうかどうか悩んでいることなんて、絶対にうまくいくわけないからね。
昨日、あるドラマの録画を見て、そんなことを感じた。
ボクが見たのは、『世にも奇妙な物語 秋の特別編』という番組。
このドラマは一風変わった作品が多いので、内容によって小説の勉強になる。それで新作は欠かさず見るようにしている。だけどここ数年は、イマイチの作品が多かった。おお、すごい、と感じられる作品に出会っていない。
でも今回の5作品は、どれもよかった。最初は細切れに見るつもりだったけれど、一気に最後まで全作品を見てしまった。基本的にネタバレしないので、ご安心を。
最初は『脱出不可』という坂口健太郎さんが主演した作品。気がついたら密室に閉じ込められていて、3つの鍵の暗証番号を見つけださないと部屋から出られない。ネット社会が反映された作品で、かなりスリルがあった。
だたこの作品に関しては、オチが不満だったなぁ。これ以上書くと内容が分かっちゃうので、この程度にしておこう。
次の『あしたのあたし』という作品は、コメディホラーのような作品。明日の出来事が、スマートフォンに予告編として流れてくる。夫との生活に不満を持っている主婦に、医者になった元カレとのロマンスが芽生えるというもの。オチは予想できたけれど、なかなか楽しかった。国仲京子さんの演技が良かったなぁ。
『幽霊社員』という作品は、かなり質が高い。生きているのに死んだような生き方をしている定年前の会社員に、死んでいるのにやる気に満ちた幽霊が関わってくると物語。つまり二人とも幽霊社員というわけ。佐野史郎さんの演技に、腹を抱えて笑ってしまった。
『クリスマスの怪物』はかなり怖いよ。イジメとそれに関わる復讐をテーマにした作品で、背筋が寒くなる作品だった。今回のドラマでは、最強のホラー作品だったと思う。人間のいい加減さと、業の深さを思い知らされる作品だった。
そして今回のオムニバスで、ボクのイチオシの作品がこれ。
『マスマティックな夕暮れ』という作品。いやぁ、これはマジでめちゃめちゃ笑った。ストーリーもいいんだよね。
玉城ティナさんが演じる秀才の女子高生が、ある日4人の不良にからまれる。その理由が面白い。
なんと「同心円を教えてくれ〜〜!」ということだった。つまり数学を教えろ、と彼女に迫ってきた。
彼らには信頼する先輩がいたけれど、若くして死んでしまった。途方に暮れた彼らに、黒魔術の本が手に入る。その本の通りにやれば、死者を蘇らせることができるらしい。だけど、その本の内容を理解しようと思えば、高等数学の知識が必要となる。
そこで4人の男子と女子高生の勉強会がスタートする。そして5人は、見る間に数学の知識を深めていく。その過程が面白くて、面白くて。
動機は先輩を復活させることだけれど、結果として不良学生は優等生になっていく。変化に動機は関係ない、という最高の例だったなぁ。
果たして彼らの黒魔術はどうなるのか?
これは内緒にしておこう。いい伏線が置かれていたので、とても納得のいくエンディングだった。いやいや、マジで勉強になったよなぁ。
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