SOLA TODAY Vol.779
中国といえば、今や経済大国であり、IT大国でもある。先日放送された旅番組で泉州を見たが、活気があって街がイキイキとしていた。
国際的には日本と様々な問題があるけれども、文化交流や個人レベルでは手を取り合っていきたい隣国だと感じている。
だけどその反面、チベットや新疆ウイグル自治区に対する民族弾圧は現実に行われていて、毛沢東時代の恐怖政治の影響が根強く残っている。
ところが日本では、あまり積極的に新疆ウイグル自治区についての報道がなされていない。その理由について書かれた記事。
この記事を読んで、そりゃ報道しづらいだろうなぁと思った。
(1)中国政府からの取材妨害や情報の制限
これはボクでも想像できる理由。実際に妨害が行われているそうで、批判的な記事を書いた日本人記者に対して、中国滞在のビザがおりないなんて普通らしい。記事を読んでいると、さすがにゾッとするような妨害工作だった。
(2)在日ウイグル人民族運動と支援者の問題
この理由にはマジで驚いた。まさか日本人が報道することの障害になっているなんて。在日ウィグル人民運動の組織は、日本で活動を広めるために右翼団体に接触したらしい。保守的で、かつ反中国という面があるからだろう。
だから右翼組織のプロパガンダとして利用されている面もあって、報道関係はうかつに手を出せないとのこと。だから報道を控えてしまうそう。
(3)他の日本人のウイグル・チャンネルの問題
これはもっともわかりにくい理由。新疆ウイグル自治区の問題を根本的に知ろうとすれば、中国のあらゆる民族の歴史に通じる必要がある。それゆえかなりの中国通でないと、正確な事情を把握できないらしい。
ところが中国通であるがゆえに、ウィグル民族に対して批判的な意見を持つ人が多い。ゆえに偏見に満ちた情報が流れる可能性が高い。かといって中国通でない人からは正確な情報が得にくい。こうした複雑な問題があるらしい。
たしかにこれでは報道しづらいよね。だけど弾圧が行われているのは事実であることはまちがいない。先日、恐ろしいツイートを見た。
実際に新疆ウイグル自治区に旅行した日本人のツイートで、その地域の現状が写真で紹介されていた。あらゆるところに大量のカメラが設置され、いたるところに武装警察や公安組織が目を光らせている。
イスラム教は反政府行動を助長するものとして、あからさまに否定されている。もしウィグル人が中国政府に不満を表明するような取材を行えば、記者が妨害を受けるだけじゃない。不満を述べたウィグル人は即座に公安に拘束され、場合によっては収容所へ送られているという話も出ているらしい。
根の深い問題だけに答えは簡単に見つからない。だけど新疆ウイグル自治区の現状が、できる限り正確に報道されることを願わざるを得ない。
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