天才、という言葉の罠
待ちに待ったミュージックビデオが、11月30日になってようやく公開された。
アリアナ・グランデの新曲で、すでに3週連続でビルボード1位の座をキープしている。もしかしたらビルボードの1位は、彼女にとって初めてかも? まだまだその勢いが続きそう。
タイトルは『thank u,next』で、いきなり彼女の元カレたちの名前が出てきて、恋人たちに対する感謝の歌詞で始まる。
アリアナが好きなテレビドラマがパロディ化されているらしく、めちゃめちゃ楽しいビデオになっている。有名人も多数出演していて、今年になってデュエットしたトロイ・シヴァンなんか、アリアナに冷たく突き飛ばされてるしwww
ここのところ新しい試みに挑戦していた感のあるアリアナだけれど、この曲は従来の彼女らしいポップな雰囲気に仕上がっている。リリースされたばかりのニューアルバムに収録されていないので、deluxe版で入るのかな? それとも次回作のアルバムで登場するんだろうか?
彼女の歌唱力の高さは世界的に認知されている。ボクも様々な歌手の歌声を聴いているけれど、アリアナは余裕で現在のトップ3に入るほと歌がうまい。安直な言葉だけれど、天才という表現しか出てこない。
だけど天才という言葉に騙されてはいけない。それは彼女の圧倒的な努力を否定することになってしまう。この本を読んで、さらにそのことを思った。
『超一流になるのは才能か努力か?』アンダース・エリクソン著という本。
最近どうもやる気になれないなぁ。なんとなくモチベーションが下がっているよなぁ。そう感じるあなたは、ぜひこの本を読むべき。あっという間にモチベーションが上がり、思い悩んでいた自分が遠い過去のように思えるはず。
著者はフロリダ大学の心理学教教授。超一流と呼ばれている人たちの成果が、才能によるものか努力によるものかを研究している。
結論からいえば、著者に言わせれば天才なんて存在しない。超一流と呼ばれる人のすべては、努力を積み重ねることで現在の状況を達成している。
だけど闇雲に努力してもダメ。よく言われるものに『1万時間神話』というものがある。あることを1万時間続けたら、エキスパートになれるというもの。分かりやすくて便利に使えるものだけれど、意味なく1万時間やっても無駄である、と著者は研究結果として科学的に説明している。
著者が提唱しているのは「限界的練習』というもの。人間は何か新しいことを学んでも、あるレベルに達すると落ち着いてしまう。いわゆる『ぬるま湯』と言われている、コンフォート・ゾーンから出ようとしない。テニスを学んでも、ラリーができるようになると満足してしまう。
『限界的練習』というのは、コンフォート・ゾーンから飛び出て、常に今より少し高い負荷をかけ続ける方法。筋トレと似ているかもしれないね。
天才と呼ばれる人は、結果論としてそうなっているだけ。彼らについて研究を進めていくと、必ずこの『限界的練習』を継続することで実力を伸ばしている。著者は才能という言葉も否定している。つまり誰でも、超一流になれるということ。
そんなアホな、と思うあなた。この本を読めば、著者の言っていることにうなずくはず。とても分かりやすく書かれているので、あのモーツァルトでさえ努力によって歴史に名を残したことがわかる。めちゃやる気が出てくる、とても素敵な本だった。
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