やめられないことは、誰にもある
毎年冬至が近づくと、翌年の夏至までのテーマを考える。だけどこの2年ほどのテーマは一貫している。
それは1年の365日、休むことなく小説を創作し続けること。元旦であろうとクリスマスであろうと、そして風邪で熱があっても気持ちが落ち込んでいるときも、パソコンに向かうことを義務づけてきた。
今年の冬至を迎えると、そんな生活が丸2年になる。そしておそらく3年目に突入することはまちがいない。2019年の元旦を迎えても、少なくとも午前中にはいつものように仕事をしているはず。
だけどそれは無理してやっているんじゃない。最初は無理してでも続ける気でスタートした。だけど継続しているうちに、それが習慣として完全に定着してしまった。むしろやらないほうが違和感を覚えると思う。
新作を書いているときでも、書き終えた作品を推敲しているときでも、とにかく常に頭のなかで作品のことを考えている。そしてそれが楽しくて仕方ない。今のボクにとって休みなく小説を書くことは義務ではなく、やめたくてもやめられないことになっている。
やめられないことは、誰にもあるじゃないだろうか? ボクにとっては文章を書くことがそうだろう。
だけどやめられないことが犯罪だったら大変。そんな主人公を描いた映画を観た。
『ダイヤモンド・イン・パラダイス』(原題: After the Sunset)という2004年のアメリカ映画。その犯罪者であるマックスを演じたのはピアース・ブロスナン。
マックスは泥棒が稼業で、特にダイヤモンドに目が無い。ナポレオンが所有していたという3つのダイヤモンドのうち、2つを盗むことに成功した。相棒である恋人のローラと共に、バハマのパラダイス・アイランドで足を洗って平穏な生活をしていた。
だけどマックスによって信用を失墜したスタンというFBIの捜査官が、彼を追ってバハマにやってくる。そして3つ目のナポレオンのダイヤモンドが、期間限定で豪華客船に展示されることを教える。もう一度マックスに泥棒をさせることで、彼を逮捕するためだった。
マックスは引退したといって無視する。だけど人間には、どうしてもやめられないことがある。マックスは引退したと言いつつ、恋人のローラに嘘をついてダイヤモンドを盗む計画を立てるという物語。
コメディー要素もあって、よく練られたストーリーだった。特にダイヤモンドを盗み出す過程がめちゃめちゃ面白い。『オーシャンズ11』という映画を思い出したほど、トリックに満ちた巧妙な手口だった。
最終的にはマックスにとって大切なのは、ダイヤモンドではなく恋人のローラだと気づくオチなんだけれどね。好きなことはどうしてもやめられないという人間の心理が、面白おかしく描かれた楽しい作品だった。
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