SOLA TODAY Vol.802
人間の自由を象徴するものとして、情報の開放度は無視できない。わかりやすい例で言えば、誘拐や拉致された人は外部から情報を得ることができない。
情報の遮断=とらわれの身、と言ってもまちがいじゃないと思う。
だから独裁的な国家は、国民が得ることのできる情報をコントロールしようとする。特に社会主義国家は、そうした傾向が強い。民衆に真実が明らかにならないよう、情報を統制しようとする。だけどグローバル化した現代社会において、そのような行為は国家の孤立を招き、経済的な困窮に陥ってしまう。
そんな古くからの社会主義国家に関して、うれしいニュースが飛び込んできた。
これまでネットへの接続が制限されていたキューバで、ようやく一般市民がネットを使えるようになった。今までは政府関係者や外国人のごく一部に限定されていたネットの世界が、国民に開放されることが今月の6日に発表された。いいことだよね。
キューバについて詳しいわけじゃないけれど、ボクはこの国に強い関心を持っている。2015年にアメリカとの国交が回復してのち、あるドキュメント番組を見た。
街はまだ荒廃した雰囲気だったけれど、人々は活気に満ちていた。アメリカの観光客がどっと押し寄せて来ることが想定されるので、あちこちで道路や建物の補修が進んでいる。観光客を目当てにした雇用も増えるので、インタビューに答えている人たちの目が希望に輝いているように見えた。
それ以来、「キューバ、頑張れ!」と思うようになった。ボクに具体的なことができるわけじゃないけれど、応援したい気持ちでいっぱいなんだよね。だからこのニュースを見て、とてもうれしかった。やっと国民がとらわれの身から解放されたような気がする。
日本でスポーツ協会のパワハラや、企業のデータ改ざんが明らかになるのは、ネットでの情報による影響が大きい。キューバもネットが解禁されたら、これまで隠されていたことが明らかにされるだろうと期待している。
まだ高額なので、一般市民に普及するのは時間を要するらしい。でも一度広がり始めた情報の流れを、誰も止めることはできないだろう。願わくばキューバ政府には、中国のように強制的な監視体制を取らないで欲しいなぁ。
中国はIT先進国でありながら、国民の情報統制に強権を振るっている。国家に反抗的な文章をネットでつぶやけば、とんでもないことになってしまう。言論の自由というのは、本来の意味で保証されていない。
キューバはどちらかと言えばソ連の影響が強いので、おそらくロシア型の発展を目指しているんだと想像している。だからできることなら、ネット解禁をオープンなままで維持して欲しいと思う。世界の実情を国民は知る権利があるし、そのほうが国家にとっても有益だと思う。
頑張れ、キューバ!
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