酷いのも度が過ぎると笑える
陰陽思想というのが古くからあって、ボクが気に入っている法則がある。
それは陰が突き進んで究極まで行くと、反転して陽になるというもの。逆に陽も度を過ぎると、陰となってしまう。
つまり陰も陽も、ある意味つながっていて一つだということかも。まさにそんな陰陽思想の見本となるような映画を観た。
『アルティメット・エージェント』という2015年のアメリカ映画。おそらくここ数年で観た映画のうち、ワースト1はまちがいないという作品だった。
主人公のブライアン・バーンズは、気がついたら周囲に8人が撃ち殺されているのに気がつく。自分もわき腹に銃弾を受けていた。だが頭を打ったらしく、記憶がまったくない。
そこに通報を受けた保安官と副保安官がやってきた。ところが保安官は300万ドルの現金と大量のコカインを見つけて、独り占めしようと考える。そして応援を呼ぼうとする副保安官を射殺してしまう。生きているブライアンに気づいた保安官は、口封じのために彼を殺そうとする。
でもどうにか保安官に重傷を負わせたブライアンは、現金が乗った車を使って逃亡する。保安官は自分の殺人をごまかすため、すべてブライアンの責任にする。警察、麻薬取締局、そして麻薬王までがブライアンを追うことになるという物語。
この映画の酷いところをあげたらキリがない。
まずはストーリー。保安官は副保安官を自分の銃で殺している。その段階でいずれ銃弾の線状痕で誰が撃ったのかわかる。なんかトリックがあるのかと思ったら、そのまま保安官の殺人がバレてしまうというアホな展開。
殺された副保安官が、実は麻薬王の息子だったという設定にもビックリ。必死で逃げ回るブライアンは、自分の記憶にある女性のタトゥーを勘違いして、妻でもない女性と関係を持ってしまう。記憶がないから仕方ないとはいえ、あまりに中途半端。
この男、まさか麻薬の潜入捜査官というアホな終わり方をするようなことはないだろうな、と心配していたら、そのとおりで唖然とした。もうここまで来たら、最終的には笑えてくる。ストーリーがアホ過ぎて、つい最後まで見てしまった。もしかしたら、これが狙いなのだろうかwww
それから俳優さんの演技が、見ているこちらが恥ずかしくなるほど大根。『ロッキー4』で精悍なロシアのボクサーを演じていたドルフ・ラングレンを久しぶりに見たけれど、やはり俳優としてはちょっとキツい。他の出演陣も、オイオイと突っ込みたくなるほどオーバーアクションの酷い演技だった。
でも不思議なもので、ここまで酷いと笑えてくる。コメディー映画かと思えてきたほど。もしかしたらこの作品は、まさに陰陽思想を体現した映画だったのかもしれない。知らんけれどwww
明後日はC級作品じゃなくて、普通の映画を観ようっと!
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