過去という名の幽霊
我が家のクリスマスは昨日で終了したので、今日はいつもと同じ。午前中は昨日に録画したフィギュアスケート全日本選手権の女子フリーを見た。
いやいや、すごい接戦でめちゃ面白かった。三原舞依ちゃんが3位に入れたら表彰台は兵庫県勢の独占だったので、ちょっと惜しかったなぁ。
今日は男子のフリーがある。これまた録画して、明日じっくり見ることになると思う。一昨日は高橋大輔選手の復活を見て、めちゃ興奮した。なんとかフリーもいい調子で滑りきって、世界選手権の代表に選ばれて欲しいと思っている。
過去に一時代を築いて引退してから4年のブランクがあるのに、見事な復活に感動している。普通は過去を引きずってしまい、思うようにいかないことが多いと思う。それなのに過去のプライドを捨てて、予選から勝ち上がってきたんだからすごいと思う。
おそらくとてつもない努力と苦労をされただろう。過去という名の亡霊に振り回されることなく、新しい自分を発掘したのは賞賛に値すると思う。今夜のフリーが本当に楽しみ。
そんな過去という名の亡霊に取り憑かれ、自分を見失っていった男の映画を観た。
『カリートの道』という1993年のアメリカ映画。アル・パチーノ主演でギャングが登場するので、つい『ゴッド・ファーザー』のような映画をイメージしてしまった。たしかにドンパチはあったけれど、これは足を洗って堅気になろうとした男の苦悩を中心にした、素敵なラブストーリーだった。
アル・パチーノが演じるカリートは、親友である弁護士の助力により30年の刑期をわずか5年で出所する。暗黒街ではレジェンドとして尊敬され、周囲からは恐れられていた麻薬王だったけれど、この出所を機に麻薬の世界から足を洗おうとする。
逮捕される前の恋人だったゲイルを探し、彼女とともに新天地で新しい人生を歩もうと必死になる。そのためにクラブに出資することで経営者となり、まっとうな稼ぎで貯金を貯める。それはパラダイスへ移住するため。
ところが周囲はレジェンドを放っておかない。予想外のトラブルに巻き込まれ、再び暗黒街の世界に関わっていく。親友だと思っていた弁護士の裏切りもあって、彼は窮地に追い込まれれる。ラスト30分くらいのマフィアとの戦いは、まさに『ゴッド・ファーザー』の世界だった。
恐ろしいマフィアを振り切って、恋人のゲイルが待つ駅までやってくる。そして新天地に向けての列車に乗ろうとするところで、雑魚のチンピラに撃たれてしまう。ストレッチャーで運ばれながら、パラダイスの広告を見つめて最期を迎える。なんとも切ないシーンだったなぁ。
まさに過去という名の亡霊に憑依されたような状況で、まともになろうとしても邪魔ばかりされる。そんな複雑な主人公を、アル・パチーノが見事に演じていた。『ゴッド・ファーザー』のときの彼よりも、ずっとカッコよかったなぁ。
そして忘れてはいけないのが、弁護士役のショーン・ペン。一見真面目で、だけどぶっ飛んだ弁護士というクレイジーな役は、この映画の見どころだと思う。二人ともカッコいいわ!
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