去年のラストはおぞましい
午前中にさっと仕事を済ませて、今日はお昼前からノンビリと過ごした。
テレビを見ながらお雑煮を食べ、お酒を飲んで、午後から仕事をしなかったのは久しぶり。たまにはこんな日もいいよな。
今夜もそんな雰囲気で過ごすことになりそう。年末に買ってきた日本酒は、ほぼボクが一人で今夜に開けてしまいそうw
さて朝のブログで書いたとおり、昨晩はある本を読了して2018年中に夢の世界へ入ってしまった。そんな2018年のラストを飾る本は、かなりおぞましい作品だった。
『ゴールデンボーイ 恐怖の四季 春夏編』スティーブン・キング著という小説。
二本の中編が収められた文庫本で、その二本とも映画化されている。もちろん映画はどちらも観ているが、原作を読んだのは初めて。
最初の作品は『刑務所のリタ・ヘイワース』というタイトル。
これが映画になると『ショーシャンクの空に』というタイトルになる。この名前なら聞いたことがある人は多いだろう。アカデミー賞で7部門もノミネートされた感動的なヒューマンドラマとして知られている。
ボクも数え切れないほど観た大好きな映画で、いつもラストで驚きつつも感動する。妻を殺したという冤罪で刑務所に入られたアンディが、何十年もかけて脱獄を成功させて別人として生まれ変わるという物語。
原作を読んでいても、ティム・ロビンスとモーガン・フリーマンの好演技を思い出してしまった。先に映画を観てしまうと、どうしてもイメージが固定されてしまう。まぁこれは仕方ないよね。
当然なんだけれど、原作のほうがよかった。ただこの作品に関しては、かなり忠実に映画化されていると思う。この小説の面白さが完璧に映像化されていたことを知った。もしかしたら作品としては原作を超えていたかもしれない。
もうひとつは『ゴールデンボーイ』というタイトル。これは映画も同じタイトルで映像化されている。
元ナチスの兵士で何千人というユダヤ人を虐殺したデンカー。ドイツから逃げてアメリカで隠遁生活をしていたが、トッドという少年にその正体を知られる。トッドはデンカーを脅し、ナチス時代のおぞましい話をさせる。
やがてデンカーが逆襲をかけ、少年の弱みを握ってしまう。映画のラストではデンカーが自殺して、トッドは学校の教師を脅すことで自分の身を守って終わっている。人間の負の側面にフォーカスした作品で、かなり見応えのある映画だった。
ちょと怖いと思いつつ原作を読み進めていたが、さすがスティーブン・キング。原作はもっと悲惨で恐ろしい。デンカーもトッドもそれぞれに浮浪者狩りをしていて、何人もの人間を殺してしまう。互いを追い詰めたストレスに耐え切れなくなり、殺人によって鬱屈した思いを解消していた。
二人は同じ狂気を持っていたということ。デンカーは映画と同じように自殺する。でも映画では無事に逃げのびたトッドだけれど、原作では逮捕されてしまう。自分を告発しようとした教師を殺害し、さらに手当り次第に銃を乱射して大勢の人を殺した末に警察に取り押さえられるという結末だった。
結局そんな悲惨でおぞましいラストシーンで、ボクは2018年最後の読書を終えた。気持ち悪いけれどスカッとしたので、なかなかいい年末だったなぁwww
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