SOLA TODAY Vol.833
法律というのは、犯罪者とそうでない人を明らかにするために存在する。法律がなかった時代、暴力によって理不尽に命や財産が奪われたからだろう。
他人に対して不当に暴力を加えたり死に至らしめるのは、法律のあるなしにかかわらず人間として非道な行為だと理解できる。
そしてもうひとつわかりやすい犯罪に窃盗がある。他人の所有物を奪うのは、法律の規定がなくてもダメだろう。
ところが現代社会において、窃盗が犯罪ではないという判決が出た!
「飢えた時、食べ物を少し盗むのは罪ではない」イタリア最高裁の判決とは
それはイタリア。36歳の女性が、500円相当のソーセージとチーズを万引きして逮捕された。2013年の裁判において有罪判決を受け。懲役6ヶ月の実刑となっている。
ところが2016年になって、最高裁判所でこの判決が覆されている。その判決の主旨は驚くものだった。
「飢えをしのぐために少量の食物を盗むことは、犯罪には当たらない」
おそらく日本では考えられない判決だと思う。イタリアでは経済危機により、スーパーで万引きをしなければ生きていけない人が増加しているとのこと。特に高齢者にそうした人が多いらしい。
この記事を読んで、ボクの頭の中はグチャグチャになってしまった。イタリアの最高裁判所の言いたいことは理解できる。それほど人間として最低限の生活をすることさえままならい人が増えているのだろう。
でも同時に、万引きをされたスーパー経営者の気持ちになると納得がいかない。今後商品が盗まれることがあっても、加害者の状況によっては無罪になってしまうということ。ボランティアで商売をやっているわけじゃないのだから、複雑な気持ちになるだろうと思う。
う〜ん、難しい問題だよね。最高裁判所としては、このような事態を放置することのないよう、行政に対してアピールした判決なのかもしれない。基本的人権を守ることができない政府に、このままでいいのですか? と問いかけているように感じる。
窃盗が犯罪であるのは厳然たる事実。だけどそれを認めなければいけない世の中なんて、やはりどこかおかしいだろう。やはり今のボクにはこの判決に対する是非の判断ができない。こんな悲しい事件が起きないよう、世界が変わることを願うしかない。
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