自分を好きになる方法
朝のブログでも書いていたとおり、今日のボクは歌舞伎の世界にドップリと浸かっている。久しく生の舞台を見ていないので、京都の南座に行きたくなってきた。あの独特の雰囲気は、小屋に行かないとわからないからね。
これほど頭が歌舞伎になっているのは、楽しみにしていたこの番組を観たから。
『市川海老蔵に、ござりまする2019』というドキュメント番組。毎年1月はこの番組でボクの新年が始まると言っていい。海老蔵さんがブログを始めたときからすべての記事を読んでいるので、日々起きていることは知っている。
だけど稽古場や舞台の雰囲気は、ブログではなかなかわからない。そして二人の子供たちの様子も、このドキュメントのほうがより身近に感じられる。今年も1時間半という放送時間が短くて仕方なかった。
二人が赤ちゃんのときから見ているので、1年の成長速度の速さにマジで驚く。勸玄くんも今年の4月からは小学生になるんだものね。
この写真の場面は素敵だけれど、ちょっぴり切なくもある。3人で家族写真を取りましょうという場面。ここで長女の麗禾ちゃんが笑顔で言うセリフにドキリとする。
「本当は4人だったんだけれどね」
この映像を撮影している時点で、母親の麻央さんが亡くなって1年ほど。まだ思い出すことも多いだろうに、笑顔で言われると余計につらい。小さいながらも、いろいろな想いを抱えているんだろうね。
歌舞伎というのは世襲制。そうして名前が引き継がれていく。何も知らない以前のボクは、実力のある人が名前を継げばいいと思っていた。でもこの海老蔵さんのドキュメントや、中村勘三郎さん、そしてその後の勘九郎さんのドキュメンを見ていて、世襲であるべきだと思うようになった。
それは勸玄くんの、ここ1年の成長を見ているだけで確信できる。こうして幼いころから歌舞伎を叩き込まれていく。そこまでして、ようやく歌舞伎役者としてスタートを切れるんだよね。それほど厳しい道なんだと思う。
今回のドキュメントでもっとも心を打たれたシーンがある。海老蔵さんは、以前は自分のことが嫌いだったそう。どうしても好きになれない。
だけど麻央さんと結婚することで、自分は明らかに変わった。変わらざるを得なかったそう。二人の子供に注ぐ麻央さんの愛が、さらにその変化を加速させたらしい。そして気がついたとき、自分のある部分が麻央さんであることを自覚されたらしい。
愛する妻の一部が自分のなか息づいていることを感じることで、自分のことを好きになろうと決意された。これこそが自分を好きになる方法じゃないだろうか? ボクは心からそう思った。
今の自分は、大勢の人が支えてくれたことで成り立っている。そんな自分を嫌うことは、愛するその人たちを嫌うことでもある。そんなことは絶対にできない。だから自分を愛そうと想う。それはとても自然なことだよね。
今日一番心に響いた言葉だった。まだ録画を消していないので、近いうちにもう一度観ようと思っている。来年のダブル襲名、本当に楽しみだよなぁ。
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