忘れていた貞子の履歴書
人間の記憶なんていい加減なもので、短期記憶が長期記憶に移行したものでも、どんどん忘れていく。脳の海馬から消えているわけではないだろうけれど、時間が経過するとその記憶を引き出すことが難しくなる。
先日、久しぶりにホラー映画の『リング』を観た。もちろん原作とかなりちがうことは知っている。映画が公開された当時、原作をしっかり読んだから。だけど20年以上も経つと、どこかどうちがっていたのか思い出せない。
そのうえ映画の設定では不満を感じるばかりで、貞子が怨霊になった意図が見えてこない。でも自力では記憶を引き出せないので、原作を読み直すことにした。
『リング』鈴木光司 著というホラー小説を久しぶりに読んだ。有名な物語なので、内容はいいだろう。とにかく映画と原作のちがいで、ボクが覚えいたことと、忘れていたことを整理してみた。
覚えていたこと。
・主人公の浅川が原作では男性で、妻とは離婚していないこと。
・高山竜司が浅川の高校時代の親友だということ。
・貞子が原作では、絶滅したはずの天然痘ウィルスと合体したこと。
・高山竜司が原作では映像を解析して、まばたきの存在を見つけたこと。
・テレビから抜け出す有名なシーンは、映画だけの脚色だということ。
忘れていたこと。
・高山竜司が映画の真田広之さんのようなイケメンじゃなくて、ブサイクでオタク的な人間だったこと。
・呪いのビデオは貞子が用意したわけじゃなく、ロッジの前の利用者が録画スイッチを入れたままでビデオテープを放置していたこと。
・高野舞と高山竜司には、男女の関係がなかったということ。
・貞子を殺したのは映画のように父親ではなく、長尾という医師だったこと。
・その長尾という医師が日本最後の天然痘患者で、貞子はわざと自分をその医師に殺させたということ。
・貞子が劇団の研究生で女優を目指していたこと。
・貞子が遺伝子学的には男性で子供を産めなかったということ。睾丸性女性化症候群という珍しい症例で、膣はあるけれど子宮はなく睾丸がある。
・貞子の目的は人類に対する恨みというより、天然痘ウィルスと合体することによる『増殖』であること。
細かく書けばもっとあるけれど、大まかにこんなところかな。いやはや、ようやくスッキリした。そしてやはり原作の面白さを改めて感じた。映画はどうしてもオカルト的な部分が強調されるけれど、原作はミステリーと言っていいほど事件の核心に迫っていく過程が面白い。
ここまできて、ふと思った。さて続編の『らせん』って、どんな内容だっけ? 高山竜司の助手をしていた高野舞が主人公だったことしか思い出せない。
ということで次は『らせん」を読むことにするかwww
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