SOLA TODAY Vol.861
外からしか見えないことはあるけれど、内に入らないと絶対にわからないこともある。
アメリカという大国にケンカを売って、経済制裁を受けているイラン。そんなイランの人たちの生活がどのようなものか、とてもわかりやすく、そしてユーモアを混じえて書かれた記事がある。
とにかく面白かった。これは読んで損はない記事だと思うよ。でも面倒だという人に雰囲気だけでも伝わるよう、かいつまんで紹介しておこう。
キーとなるのはお金。現地通過はイランリアル。でも経済制裁を受けている影響で、両替はイランに入国してからでないとできない。それで著者は多めのアメリカドルを用意して入国した。
なぜ多くの現金を用意したかというと、経済制裁の影響で国際的なクレジットカードはほとんど使用不能だから。現金がなくなってしまうと、路頭に迷うことになる。
でも問題はそれだけ。著者の印象によると、イランの国の人たちは親切で治安も相当いいらしい。なんといっても物価が安い。日本円で100円も出せば、かなり豪勢な食事ができるとのこと。大金持ちになった気分を味わえる。
イランリアルは経済制裁の影響でドル高なので、交換レートもかなり有利。それも相場が常に大きく変動しているので、入国しないと実勢価格がわからない。だけど外国人にとって有利なのはまちがいない。
ただしスタバやマクド等の海外チェーンはまったくない。経済制裁を受けているから外国企業が参入できない。さらに飛行機はかなりヤバイそう。制裁で部品が調達できないので、修理できない飛行機が空を飛び交っている。こうしたことは、実際に入国しないとわからないよね。
そんな不便なことはあっても、食事は美味しいし人は優しい。歴史的な遺産も多い。だから観光するには最高の国だと著者は述べている。
問題があるとしたら、やはりお金。
イランリアルに交換するときはいいけれど、イランリアルからドルへの交換は制限がかけられている。これも経済制裁の影響で、ドルを自国から流出させないため。だけど日本に戻ってもドルに戻すことはできない。
つまり交換したイランリアルは、現地で使い切るしか方法がないということ。このあたりの顛末は、記事を読むとよくわかる。とても素敵な終わり方だった。
ボクにとってイランのイメージは、革命時にアメリカ大使館が占拠されたこと。『アルゴ』という映画の印象が強い。そのときのイランは恐怖でしかなかった。
その一方百田尚樹さんの小説で『海賊とよばれた男』にもイランが登場する。出光興産の創業者が、世界からそっぽを向かれていたイランの石油を買い付けるという感動的な場面がある。もちろん実話。だからイランと日本は、実はかなり友好的なんだよね。
ニュース報道だと一方的な情報しか手に入らない。でも現代はこういう実体験をネットで知ることができるから、実情を知ることができていいよね。ちょっとイランに行ってみたくなった。だけどイランの入国履歴があると、アメリカの入国ビザを取るのが大変らしいよ〜!
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする