『ラ・ラ・ランド』微妙だなぁ
昨日のBSでいいものを発見。録画して、今日の午後に見た。
2014年にラスベガスで行われたKISSのライブ映像。中学校時代にKISSのコピーバンドをやっていたボクにとって、彼らはロックの神様のようなもの。
この当時でもかなりのオジさんなのに、とんでもないエネルギーだよね。同時期に活躍していたクイーンの場合、フレディ・マーキュリーの死去と映画のおかげでブームが到来中。
でもよく考えたら、メンバーが変わったとはいえ現役でやっているKISSは凄すぎる。エアロスミスもそうだけれど、この時代のロックはクイーンだけじゃないことを若い世代の人には知ってほしいよな。
音楽のパワーは素晴らしいと思う。だからボクはミュージカル映画も大好き。ところがそんなパワーを感じなかった映画を観た。
『ラ・ラ・ランド』という2016年のアメリカ映画。公開当時は話題騒然で、アカデミー賞を総なめしている。なんとなく行きそびれて観ていなかったけれど、つい先日初めての地上波放送があった。それで期待に胸を膨らませて鑑賞した。
う〜ん、いい映画だと思う。だけどボクはどうも微妙。この作品なら別にミュージカルでなかってもいいように思った。だってこのシチュエーションでは、音楽のパワーを感じられない。
夢を追いかける姿はいい。そのためにもがく二人も素敵だった。だけどあの5年後は何よ? ハッピーエンドは求めていないけれど、感情的に乗り切れない。
この5年間は勝手に想像してくれ、ということなんだろうね。だとしたら、あのエンディングは共感できない。突然登場した夫とともにミアはかつての恋人だったセブのピアノ演奏を見る。そして二人が一緒に暮らしたはずの世界を思い描く。
でもそれはなぜ二人が別れたのか、どのような葛藤があったのかを知ってこそ、そこに共感できるはず。いきなりこんなもの出されても、ただの妄想でしかない。ミアがいまの夫をどれだけ愛しているのかもわからないしね。なんか微妙なんだよなぁ。
これに比べたら『ボヘミアン・ラプソディ』や『アリー/スター誕生』という最近の映画は、めちゃめちゃ感情移入できた。レディー・ガガが演じるアリーなんて、夫が自殺しても彼への愛を貫き通す。その強い愛にボクは激しく心を揺さぶられた。でもミアにはどこか冷めた視点しか持てなかった。ボクの見方が悪いのかなぁ?
セブを演じたライアン・ゴズリングは、『ブレードランナー2049』のときの彼のほうが好き。
ミアを演じたエマ・ストーンも、ボクは『アメイジング・スパイダーマン』のときの彼女のほうが好きだったなぁ。この女優さん、こんなに目が大きかったっけ? アン・ハサウェイもかなり大きいけれど、エマはちょっと引いてしまうくらい。どうもそれが気になってしまって、目にばかり注目してしまったwww
5年後にスターになったミアの演技も、ちょっと嫌な雰囲気だったなぁ。見た目は変わらないのに、スター然としているのがちょっと鼻についてしまった。これは明らかに演出だと思うけれど。
でもこの映画ですごいと思ったのはカメラワーク。オープニングの道路でのダンスシーンを含めて、長回しのワンカットが多用されている。これはマジで素晴らしい。演じる人も撮影する人も大変だったと思う。とにかくボク的には映画館に行かなくてよかった作品だった。
ちなみにこの映画を監督したディミアン・チャゼルの『セッション』という映画は最高だよ! それだけに期待しすぎたのかなぁ。
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