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高羽そらさんインタビュー

SOLA TODAY Vol.874

物語に必要不可欠なものがある。それは主人公を困らせること。

 

ミステリー、サスペンス、スパイ、ホラー、恋愛、サクセスストーリー、SF、ファンタジー、青春等のすべてのジャンルに共通している法則だと言っていい。

 

どんな形であれ、主人公を一度は暗いトンネルに閉じ込めなくてはいけない。そして主人公とともにトンネルの出口を求めることに、物語の醍醐味がある。

 

無事に出口が見つかることもあれば、暗闇のまま終わることもある。トンネルから出ても、また新たなトンネルが待ち構えている場合だってある。どんな結果が待ち受けているからわからないからこそ、その物語に関わった人はハラハラドキドキする。

 

ところが現代では、そうした物語のトンネルを避ける人が増えているらしい。

 

物語の「トンネル」を通りたくない人は意外に多いのかもしれない

 

なるほどなぁ、と感じる興味深い記事だった。著者はある漫画にハマっていて、それを奥さんに勧めたらしい。ところが妻は途中まで読んで、「これ以上無理」とその漫画を投げ出してしまった。

 

王子を主人公にしたファンタジーもので、その王子は話せないし耳が聴こえない。そんな困難を乗り越えて、やがて王になっていく物語らしい。普段は滅多に漫画を読まない著者がハマっているのに、なぜ妻が投げ出すのか最初は理解できなかったそう。

 

でもよく聞いてみると、王子が障害ゆえにいじめられたり苦労するシーンが耐えられないとのこと。物語に必然的な「トンネル」の段階で、奥さんはギブアップしてしまった。

 

この奥さんと同じような人は意外に多いのかもしれないね。例えばサスペンス的な作品の場合、主人公が生き延びることを知っていないと観られないという人は多いらしい。トンネルの出口が確実にあることをわかっていないと、辛くて耐えられないということだろう。

 

物語はボクたちの人生で経験できないことを疑似体験することで、新たな気づきを得たり、生きる力を取り戻すものだと思う。それゆえ主人公と一緒にトンネルに入ることによって、未知の人生を味わうことができる。でも最初から答えがわかっていたら、心を揺さぶることはないはず。

 

それが普遍的な物語の法則なんだけれど、「トンネル」を避ける人が増えている。普段の人生でもトンネルだらけなのに、物語まで暗闇を歩きたくないと思うからだろうか?

 

例えば『ミッション・インポッシブル』のようなシリーズの場合、完結編とうたっていなければイーサン・ハントが死ぬことはない。だから彼がどれだけ危険な目に遭っても安心して観られる。物語に安心感を求める人は、この状況ならフィクションとして楽しめるのかもしれない。

 

物語に冒険やカタルシスや生きる希望を求める人が減り、ただ安心感を望む人が圧倒的に増えたとしたら、小説や映画も変化していくのかもしれない。

 

でもなんだかつまらないよなぁ。安心感を前提にした物語に触れるくらいなら、ボクの超苦手な『セブン』という映画のように絶望しか残らない作品のほうがまだマシな気がする。だって心がざわつかない物語なんて味気ないもの。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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