音楽にジャンルはいらない
人間というのは分類好きで、すぐに特定の型にはめようとする。今日は2月22日で『猫の日』だけれど、よくネコ派かイヌ派かを尋ねる人がいる。
そんなもの分けるほうが変じゃない? 動物の好みに対して○○派なんて意味がないと思う。どちらも大好きだからね。
音楽でも同じことを感じることが多い。ボクがロック好きだと言えば、クラシックやジャズは嫌いだと思われがち。そんなのまったく関係ない。好きなものは好きで、嫌いなものは嫌い。ジャンルで分けて考えたことがない。
以前は嫌いだったヒップホップだって、いまは好んで聴くようになった。ジャンルにこだわってしまうと、素敵な出会いを逃してしまうと思う。
今年の5月にライブに行くクリーン・バンディットというバンドは、まさにジャンルにとらわれないグループ。ボクが彼らを好きなのは、そういうところだと思う。クラシックの素養がありつつ、ポップスやダンスミュージック、そしてコンピュータミュージックまで取り込んでいる。
ボクが好きな曲で『Symphony』という最高のバラードがある。昨年に京都の寺院でこの曲のライブが配信されているけれど、まさにジャンルなってぶっ飛んでいる。和太鼓で始まり、あらゆる音楽が取り込まれている。騙されたと思って一度聴いてみてほしい。音楽にジャンルなんていらないと思うはず!
そしてまさにそのことを伝えている映画を観た。
『ハートビート』(原題:High Strung)という2016年のアメリカ・ルーマニア合作映画。
ストーリーはシンプルなんだけれど、ボクはこの映画に完璧にハマってしまった。音楽とダンス好きの人は、絶対に観たほうがいいよ。
ニューヨークの音楽学院に奨学生として入学したダンサーのルビー。ある日、地下鉄でバイオリンを弾いて収入を得ているジョニーという青年に出会う。どちらも天才なので、おそらく惹かれあったんだろうね。
ルビーはある程度恵まれた生活をしているけれど、ジョニーは祖国のイギリスを捨てて就労ビザがない状態で暮らしていた。グリーンカードを手に入れようとして詐欺にあうし、祖父の形見のバイオリンもルビーを助けているあいだに盗まれる。まさにドン底だった。
そんな二人が仲間たちと協力することで、コンクールで優勝してジョニーが音楽学校の奨学金を得るという物語。ストーリーはありがちな展開だけれど、とにかく音楽とダンスがすごすぎる。
だってルビーを演じたキーナン・カンパという女優さんは、ロシアのバレエ団に所属していた現役のダンサーだから。可愛いだけでなく、バレリーナとしての才能も世界的だそう。それ以外にも有名なダンサーが大勢出演している。
とにかくジャンルなんて関係ない。クラシックもポップスも含めて、音楽に対する愛情にあふれている作品。二人がコンテストで優勝した曲とダンスも、クラシックとヒップホップが融合されたものだった。ダンスシーンを見るだけでも値打ちのある作品だと思うよ。鳥肌が立つほど興奮する映画だった。
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