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高羽そらさんインタビュー

刺激されるのは想像力or再現力

映画化される小説というのは、大きく分けて2つのパターンがあると思う。

 

小説を読んだとき、その作品を映像で観たいと思うことは多い。でも小説によって、映像化について刺激される部分がちがってくる。

 

そのひとつは想像力。そしてもうひとつは再現力。言い方を変えれば、読者の意識が前のめりになるか、受け身になるかのちがいだと思う。

 

前のめりになる作品というのは、その小説が発想の原点となって想像力を刺激される。このシチュエーションを利用しつつ、こういう物語にすればワクワクするかも、というように感じる。つまり二次創作欲を刺激されることで、想像の世界がどんどん膨らんでいく。

 

もうひとつは物語の世界が完成されていて、それをどうすれば忠実に映像化できるかという再現力を刺激される作品。できる限り原作に沿って、これを映像で観たいと思わせる。だから読者としては受け身になりやすい。

 

前者の代表作家のひとりして、ボクならフィリップ・K・ディックをあげる。

 

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『マイノリティ・リポート』フィリップ・K・ディック著という本を読んだ。

 

トム・クルーズのファンなら、このタイトルの小説が映画化されていることを知っているはず。この本は短編集で、収録さているのは『マイノリティ・リポート』だけではない。

 

『ジェイムズ・P・ロック』

 

『世界をわが手に』

 

『水蜘蛛計画』

 

『安定社会』

 

『火星潜入』

 

『追憶売ります』

 

というタイトルの短編が収められている。この短編集で言えば、『追憶売ります』という作品は『トータル・リコール』というタイトルになって、アーノルド・シュワルツェネッガー主演で映画化されている。

 

どの作品も短いのに、想像力をバンバンに刺激される。『マイノリティ・レポート』も基本的なシチュエーションは映画と同じだけれど、ストーリーはかなりちがう。つまり映画化するにあたって、この短編小説によって想像力を刺激された脚本家が、内容をふくらませて映画らしく仕上げたんだと思う。

 

『追憶売ります』に関しても同じ。読み始めてすぐに『トータル・リコール』を思い出すけれど、映画と比べるとちょっと雰囲気がちがってくる。まさにクリエーターの心を刺激して、創作意欲を掻き立てるんだと思う。

 

同じ著者の『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』という長編小説も『ブレードランナー』という有名な映画になっているけれど、これも原作と読み比べるとそのちがいが興味深い。やっぱり想像力を刺激されるんだろうね。

 

ではもうひとつの再現力を刺激される作家といえば?

 

ボクならスティーブン・キング、と即答する。彼の作品は物語の世界観が強烈すぎて、読み手の想像力がコントロールされるような気がする。だから映像化されるにあたって、どれだけ原作に忠実な作品となるかを読者は期待する。余計な解釈をしないで、そのまま映画にしてくれ、とファンは言いたくなる。

 

それぞれに個性はあるけれど、映画ファンとしてはどちらもいいよなぁ。いまはスティーブン・キングの作品を読んでいるけれど、その雰囲気のちがいをモロに感じている。映画と原作の関係を深く考察すれば、創作ということに関して勉強になることが多いと思う。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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