完全に蘇った凄惨な記憶
ついに今年は花粉症デビューだと思ったけれど、気のせいだったみたいwww
今日は完全に春の陽気で、関西のスギ花粉は超絶ピークを迎えている。でもマスクなしで午前中に歩き回ったけれど、鼻はスッキリしているし目もかゆくない。
どうやら想像妊娠ならぬ、想像花粉症だったのかも。鼻の穴は人並み以上にデカイから、花粉は吸い放題なんだけれどね。デカイばかりで繊細な反応はしてくれないらしいw
散歩していると見事な梅の花を発見。あまりに美しすぎて声が出なかった。早咲きの桜はいまにも花を開きそうだし、ソメイヨシノの蕾もふっくらしてきた。いよいよ本格的な春がすぐそこまで来ている。
気分はすでに春なんだけれど、ボクの心は真冬のように吹雪が荒れ狂っている。今月中に新作小説を仕上げる予定なんだけれど、まだエンディンが遠い。なんとかしてエンジン全開で前進しないと、桜前線に追い越されてしまいそう。気合いを入れ直そう!
そんなボクに刺激を与えてくれるのがスティーブン・キングの小説。長い物語が、いよいよ終盤に近づいてきた。
『IT』3 スティーブン・キング著という小説。全部で4巻まである第3巻を読了した。
第2巻までの状況は、『27年前の恐怖が明らかに』というブログ記事を参照してもらうとわかるはず。第2巻では11歳のときに恐ろしい怪物と戦った7人の親友が、27年後に故郷のデリーに集まるところまで話が進む。それは怪物が復活したことで、子供のころの約束を果たすためだった。
ビル・デンブロウ:作家。グループのリーダー
ベン・ハンスコム:建築家
べバリー・マーシュ:唯一の女性。服飾デザイナー
マイク・ハンロン:図書館長
リッチー・トージア:著名なDJ
エディ・カプスブラク:著名人を乗せるリムジン会社の経営者
スタンリー・ユリス:ユダヤ人。彼だけはマイクから電話をもらったとき、恐怖のあまり自殺している。
この7人はもし『IT』と呼ぶ怪物が再び現れたら、デリーに戻って戦うことを誓い合っていた。『IT』はほぼ25年周期で現れる。だけど7人の仲間はすでに一人を失っている。
ずっとデリーに在住していたマイクを除き、他の5人は11歳のときの詳細な記憶を失っていた。そして当時に負ったはずの肉体の傷も消えていた。だけどこの第3巻では、一人ずつ凄惨な記憶を取り戻す。そして同時に消えていた傷も復活する。
封印されていた記憶は、おぞましいものだった。この作品は二度も映画化されていて、最新版は2017年に公開されている。いずれ観るつもりだけれど、リメイクされた理由はなんとなくわかる。CGの技術がなければ、物語の世界観を映像化するのは難しいと思うから。
ここまで読んで、27年前に何が起きたかようやくわかった。そして最初の戦いは、彼のほうから挑んでいた。銀貨を溶かして銀のベアリングを作ることで、それをパチンコにして『IT』を射抜いた。だが第3巻はそこまで。27年前にはこの戦いの続きがあるらしい。
そして最後にやってくるのは、38歳になった6人と『IT』との戦いだろう。第4巻のメインはそこになるんだと思う。結末が気になって仕方ないけれど、1冊だけ別の本を挟んでから読むつもり。スティーブン・キングだから、ハッピーエンドは期待していないけれどね。
この物語の素晴らしいところは、単なるホラーじゃないこと。この時代のアメリカの世相が赤裸々に語られている。いじめや貧困、暴力や差別という現実のほうが、殺人鬼の怪物よりも恐ろしく感じてしまう。そしてこの7人の熱い友情に感動で心が震える。本当によくできた物語だと思う。
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