SOLA TODAY Vol.894
昨日は311関連の報道や記事が多かった。あの災害の恐ろしい光景は、いまでも記憶に生々しく残っている。それでも8年が経過すると、震災について真剣に考えている記事もあれば、とりあえず報道している感の強い内容もあった。
著名人のブログでも強い哀悼の意を感じる記事だけでなく、好印象をねらっただけの薄っぺらい印象しかない記事もあった。まぁ人それぞれの311があるということだろう。
そんななかで、ちょっと興味深い記事があった。
なぜ緊急地震速報チャイムは“怖い”のか――作曲者が明かす「アイヌ文化」との意外な関係
日本は地震国だから、いつ大きな地震が起きても不思議じゃない。のんびりとテレビを見ているとき、テレビから緊急地震速報のチャイムが鳴るときがある。同時にスマートフォンからも激しい警告音が吐き出されてくると、どうしていいのかわからないほどパニックになってしまう。
NHKの緊急地震速報のチャイム音はよく知られている。あの独特のメロディとともに「緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください」というテロップが出たりアナウンサーが発言すると、マジで怖い。そう感じるには理由があるらしい。
あのチャイムを作曲したのは、福祉工学を研究している伊福部さんという東京大学名誉教授の方。なんと伊福部さんのおじさんは、ゴジラ映画でゴジラが登場するときの音楽を作曲された方とのこと。ボクの世代ならあのメロディを聴くだけで、お腹に響くゴジラの足音と雄たけびを想像するはず。
伊福部さんはおじさんの曲を引用して、緊急地震速報のチャイムを作曲されている。ゴジラの曲じゃないけれど、『シンフォニア・タプカーラ』というアイヌ文化をイメージした楽曲を元にされたらしい。
伊福部さんによると、『緊急地震速報チャイムには“急激に変わる音程”と“不協和音”が使われています。ヒトの聴覚は、音程が急激に変わる音を怖く感じます。パトカー、救急車のサイレンは、この効果を利用しています』とのこと。
あのチャイムに怖さを感じるのは、心理学的に理由があったということ。さらに実際の地震の記憶と結びつくことで、チャイム音を耳にするだけで恐怖が喚起される。なるほどねぇ。適当に作ったわけじゃないんだ。
強い地震なんだから警戒心を呼び起こすことは大切。あのチャイムはその効果をねらっているのだろう。たしかに癒し系のメロディだったら、逃げようと思わないかもしれない。ただ怖すぎても、まったく動けないんだけれどね。
どちらにしてもあのチャイム音が鳴らないほうがいいに決まっている。そう願うしかない。だけど日本でそんなことを期待するのは無理。緊急時にそなえておくしかないんだろうね。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする