SOLA TODAY Vol.897
ネットの記事をながめていると、理解できない内容と出会うことがある。言っていることはわかるけれど、なぜそうなるのか共感できない。
それは世代間の格差だったり、経験値の差だから仕方ないのかも。昨日目にした記事も、頭が???でいっぱいになった。
タイトルを読んでイメージしたのは、CDが売れなくなってストリーミングが主流になったこと。何をいまさらと思いながら読んでみると、ボクの思っていた内容とちがう。この記事は物理的CDの、物理的寿命に関するものだった。
CDの物理的な寿命は30年くらいと言われているそう。ボクは永久に聴けるものだと思っていたから、ちょっと驚いた。1980年代になって市場に登場したCDが、まもなく30年を迎える。予測されていたように、その当時のCDが寿命を迎えつつあるらしい。
酸化によって表面が剥離するらしく、再生できないCDが最近になって増えているとのこと。この記事はそのことについて触れたもので、貴重な音源が失われつつあると嘆いている内容だった。
ボクが最初に感じた疑問は、なぜそれほどまで物理的CDにこだわるのか、ということ。もしかするとCDの寿命を嘆いている人たちは、ボクたち50代よりもさらに若い世代の人たちじゃないだろうか。
彼らはLPレコードを経験していないんだと思う。ボクが中高生のころはLPレコードが主流。15年ほどかけて集めたボクのコレクションは膨大なものだった。ところがある日、店頭からレコードが消え、CDに取って代わった。さすがにそのときはショックで、この記事のような悲しい気持ちになった。
そういう経験をしているから、音楽の媒体は変化するものだと身をもって知っている。大切なのは音楽そのものであって、媒体じゃないと痛感した。だから京都から神戸へ引っ越した10年ほど前、ボクは手持ちのLPレコードをすべてCDにダビングした。そしてレコードと完全に決別した。
さらに6年ほど前、そのCDでさえオワコンだと気づき、手持ちのCDのすべてをパソコンに落とし込んでいる。だから今は1枚もCDを持っていない。さらにその落とし込んだCDのほとんどは、Apple Musicを使えばスマホひとつで聴けるようになった。
ボクがパソコンに落としたものを聴くのは、世間に出回っていないようなレアなアルバムだけ。だからCDの劣化を恐れるほど貴重な音源だと思うのなら、すぐパソコンに落とし込んでしまえばいいのに。何を悩んでいるのかまったく理解できない。
あくまでも想像だけれど、おそらくCDしか知らない世代で、初めての喪失体験に戸惑っているのかな? 大切なのは物理的なコレクションじゃなく、その中身の音楽だからね。とっととストリーミングに切り替えたほうが、より音楽を楽しめるのになぁ。
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