人の心は強くないけれど、弱くもない
毎週ビルボードのチャートを追いかけていると、息の長い曲に出会うことがある。不思議なことにベスト10には届かないけれど、50位を切ることもない曲がある。もうかれこれ40週近くはそんな状況が続いている。
それはローレン・デイグルの『You Say』という曲。あまり知らない歌手なので注目していなかったけれど、耳に残る美しいメロディが心をくすぐる。それで最近になって調べてみると、今年のグラミー賞を受賞していることがわかった。それが少し変わったジャンル。
コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック賞というものを、この『YouSay』が受賞しているんだよね。この賞の存在を初めて知ったし、このジャンルも初めて。だから受賞していることさえ知らなかった。
ちょっと調べてみたけれど、想像どおりキリスト教を意識した音楽らしい。ゴスペル部門は別にあるので、音楽のジャンルとしては様々な要素を持っている。ただ歌詞に、キリスト教に関するメッセージが含まれるのだろう。
それで彼女に興味を持って、昨年の秋にリリースされたニューアルバムを聴いてみた。
『Look Up Child』というタイトル。まだ1〜2回しか聴いていないけれど、とても素敵なアルバム。ポップスの要素もあるし、ジャズの雰囲気も感じる。あえて宗教的な分類をするのは、日本人のボクとしてはやや不可解。そのままで素晴らしい音楽だと思う。
この『You Say 』という曲は歌詞がとてもいい。キリスト教の匂いなんて少しも感じない。ファーストアルバムがビックヒットになった彼女は、2年をかけて全国ツアーを終えた。だけど生活が一変したことで、アイデンティティーを見失っていたそう。
そのとき、彼女のパートーナーの存在によって救われたらしい。その経験がこの曲で歌われている。歌詞を和訳しているサイトがあったので、ボクの大好きなサビの部分を抜粋させてもらった。
You say I am loved when I can’t feel a thing
あなたは愛していると言ってくれる 私が何も感じないときにも
You say I am strong when I think I am weak
私のことを強いと言ってくれる 私が弱いと思っていても
You say I am held when I am falling short
到達していなくても 達したって言ってくれる
When I don’t belong, You say I am Yours
私がふさわしくなくても 私はあなたのモノだと言ってくれる
And I believe, I believe
私は信じている
What You say of me
あなたが言ってくれたことを
I believe
信じている
とても素敵な歌詞だよね。ボクは同時にメロディも浮かぶから、これを見ているだけでウルウルしてしまう。
人間の心ってそれほど強くはない。辛いことや悲しいことがあったら、すぐにボロボロになってしまう。
だけどそれほど弱いものでもないと思う。自分を元気づけてくれる存在がいて、このサビの歌詞のような言葉をかけてもらえるだけで、また強さを取り戻すことができる。信じられる支えがあるだけで、再び自分の壁に立ち向かっていくことができる。
そんなパートナーがいる人は、本当に幸せだよね。ボクも妻に感謝しなければ。何度へこんでも、いつも妻に助けてもらっている。もちろん猫のミューナもね。
キリスト教的な見方をするならば、この歌詞の『あなた』は神なのかもしれない。とても心に響く曲なので、ぜひ聴いて欲しいと思う。
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