殺人ウィルスは序章でしかない
新作小説は今日と明日が正念場なんだけれど、とりあえず今日の目標は達成。妻のアドバイスのおかげで、グッと内容が引き締まっていい作品になったと思う。
まだまだ気を抜けないけれど、明日にそなえて今日は仕事を打ち切った。体力と気力をたくわえておかないと、ちょっとした油断で足元をすくわれてしまうことになる。予想外のことが起きたときに消費するエネルギーは、考えているよりはるかに多いからね。
予想外といえば、いい意味で予想を裏切られた小説がある。そして結果として、ボクが望んでいた方向へと向かっている。
『ザ・スタンド Ⅱ』スティーブン・キング著という小説。第5巻まである大長編の物語で、その第2巻を読了した。第1巻の感想については、『死亡率90%超のインフルエンザ』という記事に書いているので参照を。
アメリカ軍が極秘に開発していたインフルエンザウィルス。感染して発症すれば、ほぼ100%の確率で死んでしまう。パターンとして、このウィルスの開発者や政府の陰謀へと物語が向かいそうだよね?
ところがそんなものぶっ飛んでしまった。だってこの第2巻では、アメリカという国家は実質的に消滅している。ほとんどの人が命を落としているから。すでに国家としての機能は破綻している。軍隊も政府も関係ない。
ただ全滅ではない。このウィルスに抗体を持っている人間がいて、ひとつの街に一人くらいの割合では生き残りがいる。だけど生き残っている人にも地獄が待っていた。
略奪し放題なので、とりあえず食料等には困らない。電気がストップしているので生鮮品は無理だけど、缶詰等の保存食ならいくらでも手に入る。ほとんどの人が死んでいるから、取り合うこともない。
だけど恐ろしいのがケガ。あるいは食中毒のような病気。医者なんていないも同然なので、ちょっとした油断で大きな傷を作ると命に関わる。救急車も警察もないんだからね。だから生き延びた人も、次々と不慮の事故等で死んでいく。
そしてもっとも恐ろしいのが孤独。周囲には死体しかない状況だから、まともでいるほうが難しい。孤独に耐えきれず、自殺する人があとを絶たない。とにかく生き残ったほうが辛いような状況になっていた。
ここからスティーブン・キングの世界に入っていく。生存者たちの夢に、二人の人物が現れる。
ひとりはランドル・フラッグという悪魔の化身。生き残った人間に近づいて、自分の配下に加えようとしている。すでにロイドという凶悪犯罪者が彼の手下になっている。
もうひとりはマザー・アバゲイルという老婆。こちらは悪魔に対抗する人物らしく、自分がいるネブラスカ州に集まるよう、夢を通じて伝えてくる。それまでバラバラだった登場人物がようやく接触を始め、マザーの元に向かおうとするところで第2巻は終わっている。
これは完全に『ダーク・タワー』シリーズの匂いがする。この世界観が登場する物語が大好きなので、いまからワクワクしている。今夜から第3巻を読むので、またまたいい意味で裏切ってほしいと願っている。
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